nanapiは、Google AdSenseの収益が「0」のメディア

nanapi(ナナピ)

ライフハック共有サイト「nanapi(ナナピ)」、メディア的な位置づけのサイトながら、Google AdSenseの枠がありません。バナー広告枠もありませんね。確かオープン当初からそうだったんじゃないでしょうか。

「ライフレシピ共有サイト」と銘打った「nanapi」。アカウントがあれば誰でもコンテンツの編集も可能な「Wikipedia的」なところもあり、「いいね/イマイチ」の評価の仕組みもうまくコントロールしているなと感じられる、なかなかすてきなサイトです。ただ僕は、アカウントは持っているものの見ているだけの非アクティブなユーザーなのですが(nanapiで言うところの見習い○○)。

そのnanapiですが、メディアサイトとしてGoogle AdSense経由の収益が「0」というのはちょっと珍しいと思います。PayPalやライブドア、Evernoteとのコラボを時折見かけるので、その企画周辺での収益が(おそらく)あるのかなと思うのですが(間違っていたらすいません)、その企画の広告主への貢献もさることながら、企画自体も基本的にはあくまで「nanapiのコンテンツの質や量の増加への貢献」という視点で設計されています。

バナー枠やAdSenseなどの広告枠があると、それは重要な収益には違いないのですが、基本的にはユーザーのアクションは「サイト外への流出」になってしまいます。ユーザーがサイトにもたらすのは主として収益中心。コンテンツの成長にはなかなかつながりません。一方、先述のコラボの企画では、落としどころは「nanapiへの投稿やアクション」。メディアのとしてのコンテンツの成長につながります。

こういう設計はとても好きです。

運営しているロケットスタート社のkensuu氏やデザインを担当されたpurprin氏の、そのサイトの設計意図が公開されていて、「いかにユーザーに気持ちよくサイト上でアクションしてもらうか」を考えて作られていることがわかります。

nanapiを作る上で気をつけたことのまとめ : ロケスタ社長日記
nanapiのデザインプロセス(その1) – エスカフラーチェLLC

ロケットスタート社のkensuu氏は遠くから拝見したことがあるくらいなのですが、考え方に共感することがあります。全然別の文脈での会話なのですが、上記の内容と通じるところがあるように思えるので、Twitterでのandvert氏とkensuu氏のやりとりをまとめてみました。

Togetter – まとめ「ソーシャルアクションプラットフォーム(仮)」

「単なる情報じゃなくて、いかにネットを見た人にアクションさせるかを考えたいんですよねえ……。広告の最適化に限界が来てる気がして、(後略)」というくだりに「いいね!」を押したいところ。

安易にAdSense収入に頼らないメディア運営は軌道に乗せるのが大変だと思いますが、がんばってほしいと思います。あと僕もここでもう少しアクションしないと。

補足しておくと、嫌儲だとか、広告枠なんてダメとか、そういうことではないです。それぞれの成長ステージにて注力する部分はあるはずで、収益がいまは必須というのであればAdSenseなどの枠をいくつか設ければいいし、コンテンツを充実させないとねというのであればアクションにつながるような設計にすればいい、ということ。両者を同時に展開するのはもちろん可能ですし、つまるところ、そのメディアやサイトのそのステージでのポリシーや戦略によると思います。

4件のコメント

  1. コメントありがとうございます。こちらもうれしいです。
    こんなの書いてるばかりじゃなく、ちゃんとこれからnanapi使います。

  2. 「あわせて読みたい」を辿ってきたらそちら様のサイトに行き当たりました。最近あるブログで、さんざん迷った揚げ句Adsense広告を貼り始め、今回のエントリーには色々考えさせられました。nanapiさんがAdsenseを貼っていないことはいま気づきました。良いエントリーに感謝します。

  3. ありがとうございます。
    そのサイトの目的とゴールにできるだけ沿うような形で運用できればいいですね。AdSenseもあってもいいと思いますし、でもそればかりが目立ってしまって離脱してしまうのなら目的に沿わないとか、そのバランスをとらなければいけないんだと思います。

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