5~6年前のこと。「降りたことのないような駅で降りて数時間そこで過ごし、また違う馴染みのない駅に移動してしばらく過ごす、を何回か繰り返す」という経験を定期的にやっていた。
年に3~4回ぐらいだろうか。仕事関係でやる必要があり、休みの日などを利用して2~3年間続けていた。
降りたことのないような駅といっても比較的近郊の駅だ。例えば僕にとって東武東上線沿線やその先の埼玉方面は馴染みが薄い。東京の北や東の方もそうだし、東急東横線や田園都市線、小田急沿線などもそうだ。もっといっぱいある。
そういった路線の降りたことのないような駅で降り、ランチを食べ、また移動して別の駅付近で過ごす、を繰り返した。
もちろん仕事関係だったので本来の目的はあった。それはそれとしてこなしつつ、駅から徒歩10分とか15分ほど歩いて特定の場所に行ってしばらく過ごす。移動してまた別の駅の特定の場所に行って近くのカフェで休憩する。それを3~4回やってその日は終わり。
見知らぬ街。見知らぬ風景。といっても観光地ではない。よくある住宅地や繁華街だ。そこにはその土地の日常の時間が流れている。
でも僕にとっては非日常。
そのときは実感はしていなかったけれど、あの体験はいいストレス発散になっていた。よくある風景だけれど見知らぬ風景。よくある風景だけれど新鮮な刺激。あーこんなお店や建物があるんだ、道路に車が多いね、おしゃれなケーキ屋さんやカフェがいっぱいあっていいな。そんな何気ない感想を抱きつつ過ごす時間。
いま調べてみると「転地効果」「転地療養」という言葉にたどり着く。どこまで学術的根拠に基づくものか知らないけれど、「日常生活を離れていつもと異なる環境に身を置くことで得られるリラックス効果」というものらしい。体感的にはそれだ。
この3年間ほどそれに近いことをほとんどしていないことに気付く。それで発散されていたはずのストレスは他で発散できているだろうか。
人生に疲れてしまったときは「外こもり」という技があります。自分の知らない街のビジネスホテルに泊まって、ぼんやりと「何もしない」をします。どこも行かずにスマホもテレビも見ないようにしてください。そして見知らぬ風景を見ながら、ゴロゴロします。一種の入院みたいなものですね。
— ぱやぱやくん (@paya_paya_kun) December 24, 2022
Twitterで見かけたツイート。宿泊まですればよりリラックスできそうだ。でもそこまでしなくても、普段行かないようなところに行って数時間過ごすだけでもいいとも思う。5~6年前の僕はそうだった。またやりたいな。