ありがちなKPIツリーでKPIを決めていたら月並みな存在に終わるかもよ

ありがちなKPIツリーでKPIを決めていたら月並みな存在に終わるかもしれない。

ゴールをKPIツリーに分解したらよく見かけるような内容になり、そこから大して驚きもない指標をKPIとしてチョイスすると、事業はその方向にそれっぽい感じには進むと思う。でも、ユニークなポジションには向かいにくい。

そういう話を書こうとキーボードを叩き始めたけれど、既視感があって調べたらその話は去年に書いていた。なので違う話を加えてみる。

要素の分解にはさまざまな切り口がある

要素の分解にはさまざまな切り口がある。

例えば「おいしさ」を分解するとき、構成要素は人によって異なる。

味を構成する要素として、一般的には「甘味、酸味、塩味、苦味、旨味」の「基本味(五味)」と呼ばれるものが有名だ。

  • 甘味
  • 酸味
  • 塩味
  • 苦味
  • 旨味

これは「おいしさ」というよりもやや科学的な「味」の構成要素かもしれない。

僕がサイゼリヤにいたとき、サイゼリヤが考える「おいしさ」は次の5つだと教わった

  • Look (ルック):見た目
  • Aroma (アロマ):口に入れる前の香り
  • Taste (テイスト):味
  • Flavor (フレーバー):口に入れたときの香り
  • Price (プライス):価格

もうそんなことを言っていないかもしれない。でもいま見てもサイゼリヤらしいなと思う。特にプライス。

2014年、僕はこのブログで「おいしさ」を11個の要素に分解している

  • 料理の要素
    • 見た目(ルックス)
    • 発する音
    • 口に入れる前の香り(アロマ)
    • 口に入れたときの香り(フレイバー)
    • 味(テイスト)
    • 価格
  • 自分の要素
    • 空腹
    • 体調
  • 環境の要素
    • 食べる相手
    • 食事環境、雰囲気(音、広さ、周囲の客層、タバコなど)
    • 店のサービス(接客)

11個の要素は多いかもしれない。でも悪くない。

KPIツリーは個性だ。そしてKPIは方向を決める

どの分解が正解かという話ではない。物事を分解するときにさまざまな視点があり、それはセンスであり個性だということ。

そしてこれはKPIツリーでもある。

この中から重要なメトリクスを選びそこに重心を置いて事業を進めたとき、「どのように分解するか、そして何を重要なものとして選ぶか」で進む方向は大きく変わってくる。

どのようなKPIツリーにするかはその事業の個性であり、KPIは向かう方向を決める。

なので、自社ビジネスがどうありたいかは選んだKPIに表れるし、その手前の要素の分解に左右される。

その話を書いたのが1年半前。

きっかけは「スタートアップのメトリクス モメンタムを死守する (2) 」という資料。

スタートアップのメトリクス 📊 モメンタムを死守する (2) – Speaker Deck

支援先様などの重要な指標を考えるとき、思い出すようにしている。