「おいしさ」ってどういった要素で成り立っているのだろうふと思い立って、思いつく構成要素で分解してみました。あくまで僕が考える「おいしさの構成要素」です。
- 料理の要素
- 見た目(ルックス)
- 発する音
- 口に入れる前の香り(アロマ)
- 口に入れたときの香り(フレイバー)
- 味(テイスト)
- 価格
- 自分の要素
- 空腹
- 体調
- 環境の要素
- 食べる相手
- 食事環境、雰囲気(音、広さ、周囲の客層、タバコなど)
- 店のサービス(接客)
僕は11個の要素に分けました。あなたならいくつの構成要素に分けますか?
さて、それぞれの構成要素について、少しだけ説明してみることにします。
料理の要素
この分類で挙げた6つのうち、5つはサイゼリヤで教わったものです(サイゼリヤが考える「おいしさ」の5つの要素)。「見た目」「口に入れる前の香り」「口に入れたときの香り」「味」「価格」の5つ。そこに「発する音」を加えてみました。
1. 見た目
料理が「おいしそうに見える」ことは、とても重要です。「食材の彩り」や「お皿への盛りつけ方」といった基本的なものから、料理の「焦げ目」や「新鮮そうに見える」というのも、また食器の形状やデザインも、「見た目」の一つです。
2. 発する音
音のしない料理の方が多いですが、鉄板で「ジュージュー」と焼ける肉や魚、「グツグツ」と煮える鍋やシチューなど、音はよりおいしさを引き立てる役割を持っています。
3. 口に入れる前の香り(アロマ)
料理を口に入れる前の料理の香り、英語では「アロマ(aroma)」です。「いい匂い」のする料理は、食べる前の期待を高めます。
4. 口に入れたときの香り(フレーバー)
料理を口に入れたときの香り、英語では「フレーバー(flavor)」です。食べた瞬間に口に広がる香り、ハーブやスパイスや食材そのものの持つ香りなどは、「味」の一つかもしれませんが、その一瞬こそが楽しみという料理もあります。
5. 味
料理の味。おいしさの基本要素はおそらく「味」なのでしょう。甘み、酸味、塩味、うま味など、この「味」そのものも、科学的に分解できそうです。
6. 価格
価格だって、おいしさの要素です。「こんなに安い食材でこんな料理が」「この値段でこの味が」「やっぱりいいものはいい値段するね」など、情報がおいしさを引き立てることがあります。
自分の要素
同じ料理でも、自分の要素でおいしさに変化が生まれることがあります。
7. 空腹
「空腹は最高の調味料である」と言われるように、お腹が空いていれば料理はおいしく感じます。満腹の状態では、せっかくのおいしい料理の魅力も薄れてしまいます。
8. 体調
料理が最高の状態でも、自分の身体が不調であれば、おいしいはずの料理もおいしく感じません。風邪をひいていたり、頭痛がひどかったりすると、「おいしい」という感情も抑え気味になります。
環境の要素
料理も万全、自分も万全、でも周囲の要素でおいしさは大きく変化します。
9. 食べる相手
大好きな人や親しい人と食べる料理は、いっそうおいしく感じます。一人で食べるのと、大人数で食べるのとでは、感じ方は異なります。
10. 食事環境、雰囲気(音、広さ、周囲の客層、タバコなど)
「食事環境」も、おいしさに影響をおよぼします。自宅なのかお店なのか、行きつけのお店なのか初めてのお店なのか、お店の広さやにぎやかさ、客層、タバコの煙、リビングでつけているテレビ番組といった「環境要因」は、おいしさをプラスにもマイナスにもします。
11. 店のサービス(接客)
お店であれば、接客態度やサービスもおいしさに関わってきます。店員さんのすてきな気配りがプラスに働くこともあれば、思わぬ接客態度で料理が台無しになってしまうこともあります。
「そのものが持つ要素」「自分に関する要素」「環境の要素」の3つの分類は、多くの事柄に当てはまるのではないだろうか
「おいしさ」の構成要素を考えてみて、僕は11個の要素に分けました。伝えたかったことの一つは、「物事はいろんな要素の組み合わせでできていて、いつも特定の何かが『要因』というわけではない」ということです。「おいしさ」のような主観的なものなど、特にそうだと思います。
で、その11個を整理したときに、「そのものが持つ要素」「自分が関わる要素」「環境の要素」の3つに僕は大きく分類しました。整理してからふと思ったのですが、この3つの分類は、多くの事柄に当てはまるような気がします。モノの本質と、自分と、他者の3つ。
しばらく、物事を整理するときは、この3つの分類に意識してみようと思います。