その指標は信頼できるか?そのKPIは適切か? – サイト改善のサイクル、再考(3)

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このエントリーは、前回の「とりあえずアクセス解析」のアクセス解析って何? – サイト改善のサイクル、再考(2)」の続きです。

「分析」は、本来はそれまでのKPIのモニタリングやデータの信頼性などを踏まえた上での取り組みであるべきではないか、というお話。ひいては、モニタリングしているその数字(KPI)は適切ですか? 取得しているデータは信頼に足る数字ですか? というお話。

分析とは、ゴールに向かうために現状を改善するべく、潜んでいる課題を発見する取り組み

「分析」は、プロジェクトの「ゴールや目標」や「目指すべき場所」に向かうために現状を「改善」するべく、潜んでいる「課題を発見」するために取り組むものだと考えます。そこには「仮説」が必要です。


▲分析は、課題発見の取り組み

普段の「モニタリング」でKPIが芳しくないものの、課題がはっきりしている場合は、「分析」はさほど必要でなかったりします。「集客がそもそも足りていない」「ランディングページとしてのアピールが弱すぎる」「コンバージョンへの動線が弱い」など、課題が明確で、「仮説」をたてるまでもないというケースです。もちろん、それを裏付けるデータは必要となります。

これらの基盤となっているものは、モニタリングしているKPIです。指標であり、数字です。

取得しているKPIは信頼に足る数字ですか? そもそも、そのKPIはビジネスとして適切ですか?

一方で、普段のモニタリングで見ている数字(KPI)は信頼に足る数字でしょうか。つまり、アクセス解析ツールをはじめとした各種ツールは適切に実装され、適切な設定がされているでしょうか。「ゴミだらけの状態」もしくは「ザルの状態」ではないですか?

さらに突っ込んで言えば、現状把握としてモニタリングしているそのKPIは、御社のビジネスとしてふさわしいものでしょうか。業績の状態を把握するのに、その指標で適切でしょうか。

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▲KPI設計から分析、改善までの流れ(クリックで拡大します)

KPI設計から分析、改善までの流れを、順にたどっていきます。

  1. サイトの目標の設定
    その目標は正しいか
  2. 戦略やそれにひも付く戦術の設計
    その戦略や戦術は適切か
  3. KPI設計
    そのKPIは適切か
  4. 各種ツールの実装と設定
    その実装や設定は適切か
  5. サイト運用、集客施策実施
  6. KPIのモニタリング
    その視点は正しいか
  7. 仮説立て
    その仮説は適切か(正しい仮説などない。いくらでもやり直しがきくのだ)
  8. 分析
    その分析方法は正しいか
  9. 課題発見
    その課題は正しいか
  10. 改善案立案
    その施策は正しいか(改善案が明確なケースはよほどだろう。試行錯誤を)
  11. 改善案試行
    その方法は適切か
  12. 効果分析
    その分析は正しいか
  13. 全体に適用
    その判断は正しいか

まどろっこしく書いているだけなのかもしれません。しかし、分析をする上で、基盤としているKPIや数字は信頼に足るものなのかどうか、はたまたそのKPIはビジネスとして適切なのかどうかは、根底が覆されるかどうかのレベルの話です。

「分析」の前に、確認しておくべきこと、取り組んでおくべきこと

  • アクセス解析ツールなど各種ツールは適切に実装され、適切な設定がされているでしょうか。「ゴミだらけの状態」もしくは「ザルの状態」ではないですか? コンバージョンや計測すべきユーザーのアクションは取得できていますか? 関係者のアクセス除去や不要なデータ除去はある程度できていますか?
  • モニタリングしているKPIは、御社のビジネスとしてふさわしいものですか? 「ページビュー数を見ている」とおっしゃいますが、はたして本当にそれでいいのですか?

続きます。戦略や戦術はあいまいなまま進んでいませんか、はたまたサイトのゴール、そもそもWebサイトの目的って何ですか?というお話の予定です。

今回のお話も、「サイト」「アクセス解析」という枠に収めずに考えていただいても構いません。

続き。

KPIは、サイトの目的、戦略戦術、ゴールにひも付く – サイト改善のサイクル、再考(4)