ありがちなKPIツリーでKPIを決めていたら月並みな存在に終わるかもよ

ありがちなKPIツリーでKPIを決めていたら月並みな存在に終わるかもしれない。

ゴールをKPIツリーに分解したらよく見かけるような内容になり、そこから大して驚きもない指標をKPIとしてチョイスすると、事業はその方向にそれっぽい感じには進むと思う。でも、ユニークなポジションには向かいにくい。

そういう話を書こうとキーボードを叩き始めたけれど、既視感があって調べたらその話は去年に書いていた。なので違う話を加えてみる。

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とはいってもページビューって意外に大雑把な指標なんですよ

ページビューとは。

  • トップページもカテゴリートップのページも、詳細な内容のページもサイトマップのページも、どれも等しく1ページビュー
  • お問い合わせフォームのページも、内容確認のページも、「送信ありがとう」のページも、どれも等しく1ページビュー
  • じっくり読まれても、まったく見向きもされずがっかりして「戻るボタン」を押されても1ページビュー
  • 間違ってクリックして開いてしまったページも1ページビュー
  • しょうもないポップアップのページも1ページビュー
  • Firefoxなどのタブブラウザーで、リンクをいろいろ新しいタブで開いてみたけど、結局見ることなく閉じてしまっても1ページビュー
  • 3行しかないコンテンツのページも、写真も文章も充実してスクロールいっぱいしないといけないようなページも1ページビュー
  • 1つの記事を無駄に3ページに分割したコンテンツは3ページビュー
  • 参照写真が10枚あって、それらを全部ページにして参照させたら写真だけで10ページビュー
  • ロボットが自動生成したようなスパムサイトに100のアクセスがあっても、アルファブロガーのブログエントリーに100のアクセスがあっても、どちらも100ページビュー
  • アクセス解析ツールによって解釈はいろいろで、ロボットやツールがアクセスしてもページビューだったりするし、「それページじゃないし」というファイルにアクセスしてもページビューだったりするし、ブラウザーのキャッシュを読み込んでもページビューとするところとしないところがあるし、まあとにかくどれもこれも同じページビュー

まあみなさん、アクセス解析はそういう前提でよろしくどうぞ。

以前にも書きましたが、ページビューは雑誌をめくったような程度ぐらいのニュアンスで捉えていてもいいんじゃないかなと思います。

アクセス解析の29の指標(暫定) – WAA Standards Analytics Definitionsが改訂へ

WAA (Web Analytics Association) が昨年2007年8月に発表した26のアクセス解析の指標を改訂するようです。

New Standards Definition Doc | WAA Blog

現在は草稿の段階で、フィードバックを今年2008年いっぱいまで受け付けてから最終のものを発表する模様。
なお、昨年発表された26のアクセス解析の指標を翻訳したものはこちら

9月22日付で暫定的に発表された29の指標を挙げておきます。

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アクセス解析のサイト滞在時間では、直帰した人の分は「0」として計算されている

アクセス解析の「平均サイト滞在時間」には、直帰した人の分は含まれていません。いや、含まれているのですが、滞在時間「0」として含まれています。

たとえば、ウェブサイト全体の直帰率が40%だったとして、ユニークセッションの40%のアクセスのそれぞれの滞在時間は「0」として計算されているはずです。

大抵のアクセス解析ツールでは、ページの滞在時間は「あるページにアクセスした時間」と「その次にアクセスしたページの時間」の差分で算出されています。ウェブサイト全体の滞在時間であれば、その数字の積み重ねです。たとえばGoogle Analyticsでも同様で、ちょうどそれにまつわる話題のエントリーがあがっています。

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PVを「雑誌のページをめくったような程度」と思ってみる

PV(ページビュー)はまだまだWebサイトの指標として強くて、「PVが高い=すごいサイト」と無条件で思われていたりします(確かにある意味そうなのですが)。でも、改めて考えてみれば、PVとはブラウザーにリクエストされた回数のことです。「そのページがちゃんと見られた/読まれた」という保証は全然ないんですね。

PVを「雑誌のページをめくったような程度」というように仮に思ってみると、そのページで手掛けなければいけないことがたくさん見つかるんじゃないかと思います。ちゃんと読ませるために。ちゃんと誘導するために。

PVは確かに重要な指標ですが、それだけに一喜一憂するのではなくて、他の指標もちゃんと見なければならないし、PVをはじめそれらの指標の意味というかニュアンスを、つかんでおかなければいけないと思います。滞在時間だって、「次の指標だ!」と騒いでいないで冷静に判断しなければいけないですしね。

Webサイトのアクセス解析で、押さえておくべき26の指標 – WAA Standards Analytics Definitions

2011年1月23日追記。私も策定に協力しておりますが、2010年7月にアクセス解析イニシアチブが用語定義のガイドラインを発表しております。

アクセス解析の集計と用語定義ガイドライン第2版を発表 アクセス解析イニシアチブ

ですので、下記内容は間違いではありませんが、やはり情報が少し古くなっているということもあり、今後はアクセス解析イニシアチブ発表のガイドラインををご参照ください。追記終わり。

Web Analytics Association (WAA) は8/23、アメリカのサンノゼで行われたカンファレンス Search Engine Strategies にて、新しい26のWeb解析指標 (WAA Standards Analytics Definitions) を発表しました。

これまで一般に使われてきた「PageViews」「Visits/Sessoins」「Visitors」に加えて、23の新しい解析指標を追加しています。アクセスログ解析のこれからの標準的な指標として、押さえておくべきものでしょう。

ここではざっと、この26の指標について拙訳ながら翻訳しておきます。

Web Analytics Association (WAA)
Standards Analytics Definitions

Japanese Edition translated by Yasuki Ichishima.

Building Block Terms (基本要素)

  • Page (ページ)
    ページとは、解析可能な単位のこと。
  • Page Views (ページビュー、PV)
    ページビューとは、ページが閲覧された回数のこと。
  • Visits/Sessions (訪問数[訪問者数]、セッション)
    訪問数(訪問者数)/セッションとは、1ページ以上閲覧した1人による訪問のこと。最初のアクセスから一定時間内に他の行動を起こさなかった場合、その訪問セッションは終了となる。
  • Unique Visitors (ユニークユーザー)
    ユニークユーザーとは、決まった時間内に1度以上サイトへ訪問した人数のこと。検索エンジンのロボットなどを除く。そのレポートの期間内では、そのユニークユーザーの基準において「その人」は1度しかカウントされない。
  • New Visitor (新規ユーザー、新規セッション)
    新規ユーザーとは、そのレポートの期間内にそのサイトに初めて訪問したユニークユーザーの数のこと。
  • Repeat Visitor (リピートユーザー、リピートセッション)
    リピートユーザーとは、そのレポートの期間内にそのサイトに2度以上訪問したユニークユーザーの数のこと。
  • Return Visitor (再訪ユーザー、再訪セッション)
    再訪ユーザーとは、そのレポート期間前にもかつて訪問があり、かつそのレポートの期間内にサイトに再訪問したユニークユーザーの数のこと。

Visit Characterization (訪問特性)

  • Entry Page (閲覧開始ページ、入口ページ)
    閲覧開始ページとは、訪問の最初のページのこと。
  • Landing Page (ランディングページ)
    ランディングページとは、マーケティング的に計算されたユーザー行動において最初のページと意図されたページのこと。
  • Exit Page (離脱ページ、出口ページ)
    離脱ページとは、その訪問の最後にアクセスしたページのこと。その訪問の最後を意味する。
  • Visit Duration (滞在時間)
    滞在時間とは、1セッションの時間の長さのこと。一般的に、そのセッションの最後の行動がとられた時間から最初の行動がとられた時間を引いたもので計算される。
    (訳者補足)多くの場合、閲覧開始ページにアクセスした時間から、離脱ページにアクセスした時間までのこと。つまり、離脱ページでの滞在時間は含まれない。
  • Referrer (リファラー、参照元)
    リファラー(参照元)とは、そのページにアクセスさせるに至った元のページのURLのこと。
  • Internal Referrer (サイト内リファラー)
    サイト内リファラーとは、そのサイト内(あるいはそれに準ずるもの)に誘導するページURLのこと。
  • External Referrer (外部リファラー)
    外部リファラーとは、外部サイト(あるいはそれに準ずるもの)に誘導するページURLのこと。
  • Search Referrer (検索リファラー)
    検索リファラーとは、検索機能によって生じたリファラー(参照元)のこと。サイト内リファラー、外部リファラーを含む。
  • Visit Referrer (訪問リファラー)
    訪問リファラーとは、セッションの最初のリファラー(参照元)のこと。サイト内リファラー、外部リファラー、リファラーなしを含む。
  • Original Referrer (オリジナル・リファラー)
    オリジナル・リファラーとは、その訪問者の最初のセッションの最初のリファラー(参照元)のこと。サイト内リファラー、外部リファラー、参照元なしを含む。
  • Click-through (クリックスルー、クリック数)
    クリック数とは、その訪問者がそのリンクをクリックした回数のこと。
  • Click-through Rate/Ratio (クリックスルー率、クリック率)
    クリック率とは、そのリンクが閲覧された数に対するクリックスルーの割合のこと。CTR。
  • Page Views per Visit (平均ページビュー)
    平均ページビューとは、そのレポートの期間内での訪問数に対するページビューの割合のこと。

Content Characterization (コンテンツ特性)

  • Page Exit Ratio (離脱率)
    離脱率とは、そのページのページビュー合計に対する離脱数の割合のこと。
  • Single-Page Visits (1ページだけの訪問)
    1ページだけの訪問とは、その1ページだけを閲覧した訪問のこと。その1ページを何度閲覧しようともそれ以上カウントされない。
  • Single Page View Visits (Bounces) (直帰数)
    直帰数とは、1ページビューだけの訪問のこと。
  • Bounce Rate (直帰率)
    直帰率とは、閲覧開始ページの訪問者数に対する直帰数の割合のこと。1ページだけ閲覧して離脱した訪問者数の割合。

Conversion Metrics (コンバージョン指標)

  • Event (イベント)
    イベントとは、ブラウザーやサーバーによって特定の日時が割り当てられて記されたあらゆるログや記録された行動のこと。
  • Conversion (コンバージョン)
    コンバージョンとは、目的の行動を達成させた訪問者数のこと。

指標の日本語については、一般的に用いられる単語、Google Analytics などで使われている用語を中心に、僕の判断で選んでいます。よりふさわしいものがありましたらご指摘ください。

知っていて当たり前の人もいるでしょうが、「Entry Page」と「Landing Page」の違い、「Visit Duration」の理解とか、あやしい人も結構いるのではないかと思います。全部が全部必要な指標というわけでもないですが、理解はしておきたいですね。

追記。MdNから2008年8月18日に出た雑誌『Web STRATEGY vol.17』のアクセス解析の特集「アクセス解析で組み立てるWeb戦略」に、4ページほど記事を書かせていただきました。アクセス解析の指標の意味と、ビジネスでのその捉え方を簡潔にまとめています。よろしければどうぞ。

Web STRATEGY vol.17 (インプレスムック)
MdN
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Ad Innovator: Web解析協会、測定のスタンダードを設定

「滞在時間が次のWebサイトの評価指標だ」というわけではないのでは?

ちょっとタイミングを逃した感がありますが、アメリカの調査会社ニールセン・ネットレイティングス(Nielsen//NetRatings)がサイトの価値を表す指標をPV(ページビュー)から滞在時間に変更すると発表しています。

最良の指標は「総滞在時間」、Nielsen//NetRatingsが位置付け見直し – INTERNET Watch
ニールセン・ネットレイティングス、PVでなく滞在時間でサイトをランキングへ:ニュース – CNET Japan
ITmedia News:Nielsen//NetRatings、ネット視聴率の測定方法を変更
ページビューでは Web 2.0時代のサイトを正しく評価できない―米ネットレイティングスが「滞在時間」を重視 – MarkeZine

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ブログをブログとして評価するとき、PVは当てにならない、かもしれない

先日、「簡易的にブログを評価分析(解析)する方法」と題して、主なツールやサービス、方法を紹介しました。そこで最初に取り上げた「購読者数」ですが、僕はブログを純粋にブログとして評価するのであれば、購読者数を基準にするのが一番ふさわしいのではないかと思っています。購読者数、つまりRSSを含めたフィードの登録者数/購読者数です。欲を言えば、そのブログをブックマークしていたり、アンテナサービスに登録している数も含めたいです。

あくまで欲を言えばですが。

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