ビートルズのリマスターCDは、CDの時代の終焉を加速させるか

ビートルズのリマスターCDが、CDというフォーマットの時代を終わらせてしまうような気がします。最後の花火。

ビートルズのリマスターCDのボックスセット、僕は何のためらいもなく、ステレオ盤とモノラル盤、両方ともアマゾンで予約してぽーんと買いました。締めて7万円ほど。

でもね、聴いてないんですよ。DVDは見たのですが、CDはまだステレオ盤の方を4~5枚ほどしか聴いていません。モノラル盤は手つかず。聴く時間が全くないというわけでもなく、「まあ全部知ってる曲やしね」という思いからか、なぜだかワクワク感を覚えません。大きな2つの箱も、どこにしまおうか決めあぐねる中、所在なげにとりあえず置かれていたり。

高いです。日本盤のボックスセットをステレオとモノの両方を普通に買うと75,000円ほど。まあ、輸入盤を買ったり、安いところで買えば数万ぐらい抑えられるのでしょうが、それでも高い買い物です。ビートルズが大好きな僕の友人でも、「とりあえずモノラルの方は買ったけど、ステレオのボックスまでは高くてね…」と言っていました。

高いのですよ。で、この出費が大きくて、これからしばらくCDを買うのを控えようとさえ思ったりする。

そう、たぶんいま「CD」の安定した購入層のある程度の割合を占めているだろう30代以降の人たちが、そんなことを思っていたりする。「7万円も使っちゃったから、今年はもうCD買うのを控えようかな」、と。

このビートルズのリマスターCDはバカ売れしているそうですが、でも悲しいかな現実はCDは全体的に売れてないんですね。特に、たぶん若い人はCDなんて買ってない。人口が減っているというのもあるのでしょうが。

今週のオリコン週間シングルチャートが、今春に見られた低レベルチャートを超える異常事態を迎えた。

今週の20位に入ったsupercell「君の知らない物語」の売上はなんとわずか2975枚であり、オリコン史上初めてトップ20ボーダーの売上が3000枚を割った。また、30位の売上も1760枚で、同じく史上最低記録を更新した。

オリコンシングルチャート、20位が史上初の3000枚割れ…59位からは売上1000枚に満たず:The Natsu Style

タワーレコードもがんばっていたりするのですが、ヴァージンメガストアは日本から消えてしまいましたし、HMVも池袋サンシャイン60通りの店舗の閉店など、大型CDショップも淘汰が始まっています。

もう、「CD」は売れないんでしょう。他のフォーマットで「音楽」は残るのでしょうか。消耗してしまわなければいいのですが。

話は少しずれますが、1つのアルバムを3種類のフォーマットで出して、3種類ともファンに買わせたりする商売は、マーケティングとしてはありだけれど、音楽ではファンを消耗させるだけのような感じがします。途中でパチンと紐が切れたら、「CDなんてもう買わない」にもなりかねません。

僕は音楽が大好きなのです。

2件のコメント

  1. 私は今回のCDの購入を見送りました。
    単純にお金がないのもそうなんだけど、ファンから搾取し過ぎだと思うのです。40年前の音源を今の技術でリマスターだの何だのして、クリアな音になったとか音楽誌は騒ぎ立てますが、私は80年代に最初にCD化されたもので十分です。
    レコード世代ではなにので、私にとってはそれがオリジナル。メディアがレコードからCDに、そして配信に変わっていくのは世の流れだとして、今更リマスターCDはないだろうと思います。

  2. いま音楽のマーケットのひとつの方向として「顧客単価を上げる(=ファンから搾取する)というのが確実にあるのですが、
    ビートルズのこのリマスターのボックス盤でもその側面は確かにありますね。
    「商売うまいなぁ」とため息出ますし。
    でも、1980年代のCDは音がよくないのも確かなんですね。
    10年後に仮に別のフォーマットでの音楽媒体が登場していて、それ用のパッケージが出たとしても、はたして僕は買うかどうか。

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