CDショップは好きです。自分の視野の外側の音楽に触れることができる場は、インターネットではなかなかないです。リアル店舗の価値のひとつはそこにあると思うのですが、でもいかんせん生活にインターネットが入り込んでくると、CDショップにいながら携帯でネットにつないで別の店でCDを買うということだって起こってしまいます。
- タワーレコードでマイケル・ジャクソンの追悼コーナーに出くわす
- 「ベスト盤1枚しか持ってないし、その曲数も少ないから、他のもほしいよな」
- この2枚組の、良さげ? 値段は…、ふむふむ
- 携帯電話を取り出し、iアプリの「Amazonスキャンサーチ」を起動、CDのバーコードを読み取る
- Amazonの方が安いね
- そのままAmazonのカートに入れ、すでにカートに入っている他の商品を「いまは買わない」の選択をして、そのCDだけ購入
タワーレコードの店内にいながら、携帯を使って「検索→比較→検討」のステップを踏んで、結果Amazonで購入に至っています。
この流れってリアル店舗にとっては驚異のはずなんですが、この流れは残念ながら止められないんですね。
僕はその日、タワーレコードで3枚のCDを購入したのですが、やはりそれぞれのCDに対して一応同様のことをしました。タワーレコードで買ったうちの1枚は実はAmazonの方が安かったのですが、Amazonではたまたま在庫がなくて入荷待ちの状態でした。数日待てばAmazonにも入荷するのでしょうが、僕はそのCDには時間と値段を天秤にかけてタワレコで買うという選択をしたんですね。
僕も長くタワーレコードなどのCDショップにはお世話になっているし、実際大型店舗にいるのが大好きなので、できれば贔屓でお店で買ってあげたいのですが、そうは言っても安く買えるインターネットもうれしいわけです。
携帯電話やAmazonスキャンサーチなどの店舗での利用禁止も書店のようにできたりするのでしょうが(実際禁止なのだとしたらすいません)、そうすると「比較・検討のステップは自宅で」となり、リアル店舗からはまたひとつ遠ざかってしまう。
タワーレコードもいろいろ策は講じていて、輸入盤の少し古めのCDを1000円で販売したり(結構な数ありました)、ポイント○倍やクーポンやグッズの特典をつけたり、いろいろしています。それでもやはり、より数を売ったり店舗に足を運んでもらわないと厳しいでしょうね。
その日買った3枚のCDは、いずれも知らないCDばかりでした。それぞれ視聴した上で買ったのですが、
- あなたが気に入る音楽が他にももっとあるよ
- それを見つけることができるのがCDショップ
というところがいまの時点でのCDショップの大きなメリットのひとつでしょうか。「セレクトして提案する力」と、多くの視聴機といったインフラ的な要素も揃えないといけないでしょうから、体力が必要ですし、その一方でそれに伴う在庫をどうするかとか、いろいろ相反するものが出てきます。そして、結果として大都市への大型店舗の集中という問題。
CDショップは大好きな場所なだけに、複雑な気持ちです。