Webサイトや施策の分析視点の変化について、改めて考えてみました。Web周辺のアナリティクスの視点の変化についてです。
時間軸の中で、ユーザーがどういうチャネルと接点を持ち、それらに何を求め、どのように少しずつWebサイト/企業と関係性を築いていくのか、どういう要素がきっかけでアクションを起こしコンバージョンに至るのか、「点」だけにとどまらない「線」の分析視点も、改めてより必要です、というお話。
「訪問軸」の分析から、「ユーザー軸」の分析も加えたものへ
2000年前後から始まったいわゆるアクセス解析(Web Analytics)は、「UIや表現の改善」と「集客施策の改善」の2つを目的としたものが起点だったように思います。それらは、「訪問軸」の視点。
訪問ごとのコンバージョンや回遊の分析は、それはいわば訪問のモチベーションとコンテンツのマッチングの評価でもあり、ある意味で刹那的でもありました。
それから、よりWebサイトや施策を通常のマーケティング視点で捉えるようになったことと、ツールの進歩もあり、「広告予算配分の最適化」や「ユーザーとの関係性構築の状況改善」といった「ユーザー軸」の視点も加わってきました。
一方で、いまグロースハックという言葉が用いられる文脈は「新規ユーザー獲得/新規顧客獲得」という側面がやや強く、それらの視点は「UIや表現の改善」と「集客施策の改善」といった「訪問軸」の分析が中心なのではなかろうか、とも感じます。それが良い悪いではなく。あるいは、AARRRモデルがあるものの。
インバウンドマーケティングという言葉が用いられる文脈は、より「ユーザーとの関係性構築の状況改善」のユーザー軸の視点の方、かと。
時間軸の中で、「点」をつなげた「線」の分析視点もより必要
ユーザー軸や時間軸でとらえるとき、それでもそれらは「訪問の積み重ね」でもあります。ですので、もちろん訪問軸も大事という前提に立った上で。
時間軸の中で、ユーザーがどういうチャネルと接点を持ち、それらに何を求め、どのように少しずつWebサイト/企業と関係性を築いていくのか、どういう要素がきっかけでアクションを起こしコンバージョンに至るのか、「点」だけにとどまらない「線」の分析視点も、改めてより必要です。
図の再掲。
図に含まれていないものとしては、いわゆるオムニチャネルでのウェブではない領域の接点。そこまで含めた視点となると、データの統合やツールの統合など、ステップを踏む必要があります。
まだメモ書きのような内容ですが、いったん放流してみましょう。
以下は、上図の内容の書き起こしです。
図の内容の箇条書き
[目的]UIや表現の改善→CV獲得 <訪問軸>
- 訪問動機とコンテンツのミスマッチの改善
- ランディングページ + A/Bテスト
- 訪問内の動線の改善
- ナビゲーション、レイアウト、ラベル表現 + A/Bテスト
- フォーム改善 + A/Bテスト
[目的]集客施策の改善→CV獲得 <訪問軸・ユーザー軸>
- コストとCV数
- 適切なCPA
[目的]広告予算配分の最適化 <ユーザー軸>
- アトリビューション/マルチチャネル
[目的]ユーザーとの関係性構築の状況改善 <ユーザー軸>
- コホート分析
- マルチチャネル/マルチデバイス
- 時間軸を意識した施策連携と改善
[目的]コンテンツの評価と改善 <ユーザー軸>
- CVや関係性構築に対するコンテンツの貢献度
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以上。