ロイヤルホストのさらなるホスピタリティ推進への変化

先日、ときどき利用しているロイヤルホストの店舗で食事をしました。

大卒後の社会人のスタートがファミリーレストラン業界だったこともあり、お店に入ると、どうしても店内ウォッチを始めてしまいます。店舗はリニューアルしたらしく、いろいろと変化に気づいたので、なんとなくスマートフォンでメモを取っていました。

後日ふと検索していると、ちょうど4月10日に放送されたテレビ番組「カンブリア宮殿」がロイヤルホストの特集だったようです(見ておりません)。その内容と先日のメモの内容が被っていたようなので、少し書き残しておこうと思います。

以下は、食事した日のスマートフォンで取ったメモの内容。

  • 全席禁煙席に
  • ドリンクバーがなくなった
  • ベルスター(呼び鈴)がなくなった
  • 囲いのあるボックス席をなくし、パントリーから店内を見渡せるようになっている
  • カウンター席がある
  • 落ち着いた食事とその空間作りの提供?

ドリンクバーやベルスターは、店内が騒がしくなる

多くのファミリーレストランには、ドリンクバーやベルスター(呼び鈴)が導入されています。利用する側としては、お得感がありまた便利なのですが、どうしても店内が騒がしくなる要素でもあります。ドリンクを取りにお客様は店内を自由に歩きますし、お子さんは走ったりします。ベルスターの呼び鈴も、ひっきりなしに鳴ります。

落ち着いて食事をするには、不快な要素です。

ロイヤルホストは、ホスピタリティの推進で、落ち着いた食事空間を取り戻そうとしている

2013年11月に、ロイヤルホストは全店で全席禁煙に踏み切っています。大手では初の試みだったと思います。プレスリリースには「ホスピタリティレストランを目指してまいります」とあります(PDF)。

ドリンクバーやベルスターの廃止も、そのホスピタリティ推進の一環なのでしょう。ベルスターを廃止した代わりに、4人~6人掛けのボックス席の囲いの壁をなくしたり低くしたりして、パントリー(厨房からホールスタッフに料理が渡される場所)から店内のお客様が見渡せるようにしています。ホールスタッフがお客様の様子に自分から気がつかなければなりません。

ドリンクバーやベルスターは、店舗側にとっては人時生産性を上げる、少人数で店舗を運営するにはありがたい存在です。一方で、それに頼ると提供サービスの質が落ちてしまいます。それは経験上よくわかります。ベルスターがあると、お客様の様子を観察しなくても、なんとか少人数でお店を回せるんですね。

落ち着いた食事空間からの良いサイクルへの期待と、消費税増税のタイミングと

ロイヤルホストは客単価がもともと高く、接客レベルの維持向上を改めて徹底することでドリンクバーやベルスターの長所をカバーし、ホスピタリティ推進に舵を切ったのでしょう。

落ち着いた食事空間が維持されると、客層が変化します。そうすると、回転率は変わるかもしれませんが、客単価の増加が期待できます(消費税増税がどのような影響を及ぼすかはわかりませんが)。もともとロイヤルホストにはそのようなイメージがありましたが、消費税増税というきっかけもあり、一歩大きくさらに前に出たのだと思います。

おいしい料理はもちろんですが、接客レベルの維持向上は大変でしょうけれどもね。

さて、その日の食事は、おいしくいただきました。私たちはドリンクバーの代わりとなるコーヒーを頼まなかったので、客単価としてはいつもとそれほど変わらなかったかもしれませんが。

テレビ東京「カンブリア宮殿」のロイヤルホストの回の内容は、概要がテキストでアーカイブされています。

2014年4月10日放送 ロイヤルホスト株式会社 社長 矢崎精二(やざきせいじ) 氏|カンブリア宮殿:テレビ東京
ファミリーレストラン ロイヤルホスト – Royal Host –
Royal Group – ロイヤルグループのレストランなど