アクセス解析周辺の取り組みをやっていると、「とりあえずアクセス解析してもらって、データの分析からわかることを教えてください」といった依頼をいただくことがあります。ただ残念ながら、アクセス解析はあくまでそのWebサイトで起きた「結果」にすぎません。結果だけを見ても、事実の掌握とほんの部分的な改善案ぐらいしかできません。
大事なのは、「起きてほしかったこと」と「実際に起こったこと」のギャップ、乖離を埋めていくことです。「起きてほしかったこと」は、「目標」「理想」「想定」「仮説」といった言葉に置き換えてもらって構いません。「実際に起こったこと」は「結果」「事実」です。その差、ギャップが「なぜ起こったのか」を考えることです。
- 原因は何か
- 内的要因か外的要因か
- 対処可能か不可避か
- 目標が高すぎたのか
このようなことを考えていくわけです。「結果」だけからわかることはほんのわずかで、ビジネスの流れを理解したり、目標や戦略を把握しなければ、その「ギャップ」はわかりません。
「このコンテンツまでたどり着いてほしい」という「起きてほしいこと」と「結果」とのギャップを埋める
昨日、私の会社である真摯のサイトをリニューアルしました。目的は「回遊性の向上」と「伝わりやすさの向上」です。
株式会社真摯 Webコンサルティング、ビジネス改善支援、アクセス解析
前回のリニューアルが法人化した2012年5月だったので、1年2か月での刷新です。結局毎年、体裁を大きく変えています。
真摯はコンサルティングの会社ですが、一方で(あたりまえですが)自社のサイトを運用する側でもあります。以前のサイトでは、閲覧してほしいコンテンツになかなかうまく誘導できていないという課題を抱えていました。回遊性の向上や動線の確保のため、部分的に手を加えたりA/Bテストを重ねていたのですが、1年も経てば「あそこも、ここも」と気になる箇所が増え、金曜日から週末にかけて約2~3人日程度の工数でリニューアルとなりました。
取り組んだのは「訪問したユーザーにメッセージを伝えること」
あまり書くと自己満足になるので簡潔に書きますが、やったことは以下。
- UIの改善、動線の確保
- 読みやすさの改善
- ライティング(ひたすらリライト)
- メッセージの強調
- デザイン変更を少し
自社のビジネスですので、「起きてほしいこと」は当然すべて持ち合わせています。「このコンテンツまでたどり着いてほしい」というのも、小さなことですがその一つです。そして、「実際に起こったこと」である結果も常に追いかけています。
そのギャップを埋めるべく取り組んだのは、「訪問したユーザーにメッセージを伝えること」でした。そのために、優先順序としてまずは「回遊性の向上」と「伝わりやすさの向上」に手を加えました。
もし「起きてほしいこと」がわからなければ、コンバージョンアップのために「集客を」とか「話題性を」とか的外れなことを誰かがコンサル顔で言い出してもおかしくないわけです。
リニューアルはゴールでは決してないので、ここからまた、改善の旅が始まります。