アクセス解析やインターネット調査など、Webビジネスでは様々なデータが取得、分析できます。それら全体を仮に「Web分析」と呼ぶことにし、Web分析を15種類に分類してみました。
追記。最新の内容はCinciのサイトにてご確認ください。このエントリー記事の内容は古くなっております。
15種類のWeb分析(Webサービスやツールの分類) | レポート、コラム、資料ダウンロード | Cinci
前提
縦軸の両端を「サイト内」「サイト外」とし、横軸を「状況の文脈」と「状況の結果」としました。縦軸はまあ妥当でしょう。横軸は異論はあるかもしれません。4象限に分類しようとしたときに、どのような基準が妥当かと考えた結果、「文脈」と「結果」で分けることにしました。
「Web分析」という日本語も、英語では「Web Analytics」などでしょうが、「Web解析」とするのも少し堅い気がして、「15種類のWeb分析」としてまとめています。
15種類に分類した上で、4つの象限にそれぞれプロットしています。あくまで4象限に分類することに重点を置いているので、各軸での重みづけはしてません。つまり、「上の方にあるからよりサイト内」というわけではありません。
上図は文字が小さくて見にくいですので、拡大しつつ説明します。各分野で挙げているツールやWebサービスは任意で選んだものであり、他にも多数あることをご了承ください。
「サイト内の状況の結果」の領域
サイト内の状況の結果の領域です。中心となるのはいわゆるアクセス解析ツールです。ツールによっては機能として含んでいるものもありますが、クリックやスクロールの分析(定義はそれぞれですがヒートマップと呼ばれることも多いです)もこの領域です。LPOなどでも使われるテスティングのツールや、レコメンド周辺のツールも、サイト内のデータを利用したものになります。ここからよりリアルな部分に行くと、CRMの領域になるのでしょうが、ひとまずここからは外しました。
一部、サイト外のデータも扱うものもあります。インプレッション(表示回数)などが関係する広告管理ツール、フィード配信ツール、検索エンジンが提供するWebマスターツールなどは、サイト外とサイト内の両方のデータを扱います。
「サイト外の状況の結果」の領域
サイト外の状況の結果の領域です。中心となるのは、競合サイトのトラフィック状況を分析するものです。いわゆるインターネット視聴率もここに含まれます。メルマガ配信も、基本的にはサイト外の数字を扱っているでしょう。
「結果」だけでなく、「文脈」の要素にもまたがっているデータもあります。インターネット調査は、定量だけでなく一部は定性的なデータも取れるでしょう。ソーシャルメディアの分析も、定量的なものが中心かと思いますが、一部は同じく定性的なものも扱っていると思います。
TwitterとFacebookだけ別枠で設けてみました。両サービスとも独自の分析ツールを提供しています(TwitterはPromoted Tweetsを利用するBusinessアカウントのみ)。まだ定量的な分析に留まっているようですので、「結果」だけの領域にプロットしてみました。
「サイト内の状況の文脈の結果」の領域
サイト内の状況の文脈の領域です。ユーザーテストが中心かと思います。数値としてなかなか扱えないようなデータが中心になり、より深い分析が必要となる部分です。
また、「オンラインフィードバック、VOC」とラベルをはりましたが、サイトを閲覧中のユーザーに対して任意にオンラインアンケートを求めるタイプのツールがあります。日本ではあまりないサービスですが、アンケートというフィードバックからサイトやサービスをよくしていこうというものです。アイトラッキングはサイト内での結果のデータではありますが、より文脈的な視点での分析が求められるデータではないでしょうか。
まとめと今後
Web分析を15に分類した上で、それぞれを「サイト内外」「文脈と結果」で分けた4象限にプロットしてみました。目的は、Web分析の領域の把握と整理です。自分たちのWebビジネスで放ったらかしにしている領域があるかどうか(そもそも必要かどうかの判断も必要です)、それを判断しやすくする地図(マップ)のようなものを準備しようと思ったからでした。
ご意見やフィードバックをいただきながら、内容を適時見直して改めていければいいなと思っております。お問い合わせはCinciまで。
なお、これをやろうと思ったのは、海外のブログのエントリーに触発されたからでした。
11 Types of Analytics for 2011 « Get Elastic Ecommerce Blog
「Web Analytics」を11に分類して提示した内容のブログエントリーです。僕はこの分類に少し違和感を感じ、自分なりに整理し直してみたのが、今回のブログのエントリーとなります。