アクセス解析やさまざまな調査データに限らず、あらゆる場面でそうですが、レポートやデータをそのまま鵜呑みにしてはいけません。
- 自分が思っている前提条件と異なることがある
- 対象母数が小さかったり、偏っていることがある
- 全体の数字だけを見てしまっていて、内訳を見れば異なるタイプが混在していることがある
全体の数字だけでは状況がわからない例
最近更新したブログ記事でも、その点について触れています。両者とも、「全体の数字だけでは状況がわからない」というものでした。
同じサイトでも、PCとモバイルでは曜日×時間別の訪問状況はまったく異なる件
▲サイトA(PC) 曜日×時間別の平均訪問数
▲サイトA(モバイル) 曜日×時間別の平均訪問数
PCとモバイルでは、曜日×時間別の訪問状況はまったく異なる(「Googleアナリティクスの曜日・時間別の掛け合わせデータからユーザー像を推測する」より)。
PCもモバイルも「6割が初回訪問のその日にコンバージョンしている」が、マルチデバイス利用を考慮すれば、実際はもう少し期間が長い可能性がある件
▲初回訪問からコンバージョンまでの期間(PCユーザーとモバイルユーザーの割合)
PCもモバイルも、6割が初回訪問のその日のうちにコンバージョンに至っているが、ユーザーのマルチデバイス利用が考えられるサイトであれば、実際はもう少しこの期間は長い可能性がある(「初回訪問からコンバージョンまでの期間と訪問回数を把握する」より)。
疑え。そしてセグメント!セグメント!
まずは疑うことです。「本当にそうなの?」とWhy?を投げかけることです。
調査データであれば、実データを深掘りできることはまれですから、対象者の属性や母数を確認したり、実際の設問内容を確認してWhy?の解決を図ります。
アクセス解析のレポートなど、自分で深掘りできるデータであればセグメントをかけたり、違う角度で見ることです。やはりまずは「セグメント」でしょうか。
アクセス解析系のデータであれば、まず引き合いに出されるのは「サイト全体の数字」になりがちです。それを利用するのは構わないのですが、ミスリードになってしまってはいけません。
セグメント例
- デバイスカテゴリー別(PC、モバイルなど)
- 流入チャネル別
- 自然検索経由
- 指名系キーワード
- 商材系キーワード
- 調査系キーワード
- ○○系キーワード
- リスティング広告経由
- キャンペーン別
- キーワード別
- その他各種広告経由
- メール施策経由
- 自社関連サイト経由
- ソーシャルメディア経由
- 一般サイト経由
- 直接アクセス
- 自然検索経由
- 起点コンテンツ別
- トップページ
- 商材ページ
- 地域ページ
- 店舗ページ
- コラムページ
- ○○ページ
- ユーザー属性別
- 会員非会員別、ユーザー区分別
- 性別、年代別
- 地域別
- 通算訪問回数別
- 初回の流入チャネル別
- コンバージョン種類別
- 閲覧コンテンツ別
簡単に思いつくセグメント例を挙げてみましたが、上記のものを単純にやればよいというわけではなく、自分たちのビジネスで必要となる視点で考えなければいけません。また、上記のそれぞれを組み合わせる必要もあります。
まとめ
アクセス解析やさまざまな調査データのレポートや数字は、まずは疑うことです。「本当にそうなの?」と、自分が知りたかった「条件」を思い出すことです。「偏っているんじゃないか」「内訳は大きく異なるんじゃないか」というような視点を持つことです。詳細を読み込んだり、自分でセグメントして少しずつ踏み込んでいけば、違ったデータの側面が見えてくるはずです。
考え、疑い、探ること。
表層的な数字にとらわれてしまい、ミスリードで見当違いの改善施策を打ってしまうと悲しいですから。
ところで、冒頭の写真は「カワウ(川鵜)」ですが、日本の鵜飼いで用いられるのは「ウミウ(海鵜)」の方です。