消費者中心時代 – モスバーガーの企業メッセージのパネルから

写真はモスバーガーの店舗内にある、モスバーガーの企業メッセージを伝えるパネルです。どれだけお客様のことを思って丁寧にサーブしているか、押し付けがましくないギリギリのメッセージで、非常にさりげなく、むしろ素敵な見せ方をしていると思います。

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消費者が主導権を握る時代

ブログ界でも広告業界でも話題の『テレビCM崩壊 – マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0』を、今更ながら読んでいます。アメリカの広告事情を把握していないとついていけない箇所がところどころにあるのですが、旧態依然とした広告には消費者はもう振り向かないよという刺激的な事例が多く挙げられています。

本の中で何度も繰り返し出てくるのが「消費者が主導権を握った」という表現。消費者が過去10年の間に大きく変わって力を持つようになったのが、ひとつのポイントだと指摘しています。7章では「変貌する消費者を再考する」として、新しい消費者像を提示しているのですが、非常にうまく捉えていて大変参考になります。

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AISESEES – CGMでの口コミを軸とした消費者の購買行動モデル

「AISESEES」という、CGM (Consumer Generated Media)での口コミを軸とした消費者の購買行動モデルを考えてみました。

Web2.0 時代というよりもインターネット・ビジネス(eコマース)が活発になった頃から、消費者の購買プロセスは AIDMA から AISAS、AISCEAS へと移ってきたとされています。特にその中でキーとなるのは、AIDMA にはなかった要素「Search(検索)」と「Share(情報共有)」ですが、どうも最近の様子を見ていると「Action(購入)」に至るまでに「Share(情報共有)」が始まっていることが多いように思います。

そこで、AISESEES というモデルを考えてみました。

Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)
→ Enthusiasm(熱中)→ Share(情報共有)→ Experience(購入・体験)
→ Enthusiasm(熱中)→ Share(情報共有)

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『風に吹かれて豆腐屋ジョニー 実録男前豆腐店ストーリー』はロケンローなマーケティングの本でした

男前豆腐店の社長、伊藤信吾さんによる『風に吹かれて豆腐屋ジョニー 実録男前豆腐店ストーリー』を読みました。この本が店頭に平積みされたときは「宣伝本?」と勝手に思い込んで見向きもしなかったのですが、「かなり面白い」という噂をブログ界で目にしていそいそと買いました。ものすごく面白い本でした。下手なブログ・マーケティングの解説本を買うよりも有益かもしれません。

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たらこキューピーと口コミ・マーケティング

「たらこキューピー」のCMソングのCD、キグルミによる「たらこ・たらこ・たらこ」が、オリコンのシングルチャートで初登場第2位だそうです(正確には「たらこキユーピー」ですね)。もう2年ほど前から話題の、奇妙でポップで衝撃的なCMですが、CMソングのCD化のニュース以降、一気にブログなどで話題になりました。

これは「キューピー たらこ」のYahoo!ブログ検索の結果です。ちょうど2006年7月4日頃にCMソングCD化のニュースが報じられ、一気にブログで取り上げられている様子がわかります。

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SMO (Social Media Optimization) という広い視点での取り組み

メディア・パブによる紹介で、一気に広く知れ渡ることになった「SMO (Social Media Optimization)」というキーワード。Ogilvy Public Relations社のRohit Bhargava氏が初めて使用したとのことです(Influential Interactive Marketing: 5 Rules of Social Media Optimization (SMO))。

SMOとは、ブログ(Blog)やSNS、Q&Aコミュニティ、検索エンジン(ブログ検索などを含む)、ソーシャルブックマークやソーシャルニュースといった、「CGM(Consumer Generated Media)とそれらをアグリゲートしたもの/検索するもの」をまとめて「ソーシャル・メディア」とまず定義し、その中で存在感を高めてアクセス増加に繋げる対策のすべて、ということでしょう(ヤフーも昨年末に「ソーシャルメディア」というキーワードを使っていました)。日本語にすると「ソーシャルメディア最適化」といったところでしょうか。

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「いかに囲い込まれるか?」

「囲いこむ」のではなく、「いかに囲い込まれるか?」を考えた企画が、成功する。

CGMとかクチコミとか言われるマーケティングおいて、コアになる唯一一つの考え方: mediologic.com/weblog

引用元がそもそもとても短いエントリーなので、すでに引用でなくなっているのかもしれませんが、非常に深い言葉です。僕たちはどうしても上からモノを見がちで、避けようとしていても話はついつい「囲い込む」という視点でまとめようとしてしまいます。「囲い込む」ではなく「いかに囲い込まれるか?」と視点を変えることで、中心は否応がなしにユーザーになり、「はたしてそれは本当にユーザーに囲い込まれるのか?」と再考するようになるでしょう。「ユーザーを開拓する」のではなく「ユーザーが見つける」、「ユーザーを動機づける」ではなく「ユーザーが心底楽しむ」、など……。視点を変えることで、モノの考え方が変わってきます。まさしく「ユーザーの視点で考える」です。

ブログをブログとして評価するとき、PVは当てにならない、かもしれない

先日、「簡易的にブログを評価分析(解析)する方法」と題して、主なツールやサービス、方法を紹介しました。そこで最初に取り上げた「購読者数」ですが、僕はブログを純粋にブログとして評価するのであれば、購読者数を基準にするのが一番ふさわしいのではないかと思っています。購読者数、つまりRSSを含めたフィードの登録者数/購読者数です。欲を言えば、そのブログをブックマークしていたり、アンテナサービスに登録している数も含めたいです。

あくまで欲を言えばですが。

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簡易的にブログを評価分析(解析)する方法

ビジネスブログにしろ個人のブログにしろ、その評価分析手法はまだきちんと確立されていないのが現状ではないかと思います。これまでのアクセスログ解析を用いて一般のサイトと同じ基準(モノサシ)で評価すると、どこか少しつじつま合わせの評価を出していることもあるのではないでしょうか。

そうはいっても、運営しているブログがどれぐらい読まれてどれぐらい人気なのかは、何かの形で知りたいものです。ここでは、正確ではないものの、ざっくりとブログを分析するツールや方法を紹介してみたいと思います。

購読者数を調べる

まず、おおまかな購読者数(RSSフィードの登録者数/購読者数)を調べます。オンライン型のRSSリーダーには、ブログのRSSフィードを登録すると、合計何人そのRSSフィードを登録しているかが簡単にわかるものがあります。

現時点でメジャーなオンライン型RSSリーダーでは、このようなところでしょうか。

もしサーバーの生ログファイルが入手できるのであれば、RSSリーダーのクローラー(ロボット)のUser-Agentも調べてみます。User-Agentに「4 subscribers」などといった形で購読者数が付記されているものがあるので、それらを合計することで、オンライン型のRSSリーダーの大まかな購読者数を知ることができます。

もちろん、オンライン型RSSリーダーだけでなく、クライアントソフト型のRSSリーダーを使用している人もいます。タイプも様々で、これらの購読者数を調べるのはかなり難しく、また手間もかかります。数字に根拠はありませんが、「オンライン型RSSリーダーの購読者数×2」ぐらいで概算しておいていいのではないでしょうか。

また、FeedBurnerなどの独自のRSSフィード効果測定サービスを利用するのもひとつの方法です。

RSSフィードの購読者数、どれぐらいクリックされたか(クリックスルー)、どの記事がクリックされたかといった項目を知ることができます。ただし、FeedBurnerの場合、あらかじめブログのRSSフィードをFeedBurnerのものに差し替えておく必要があり、事前の準備が必要です。

人気度を調べる

コメントやトラックバックも、評価基準のひとつです。そのブログ全体の有効なコメント数とトラックバック数の各合計を、月末にエクセルなどにまとめておけば、「その月に獲得したコメント数とトラックバック数」がわかります(スパムの類は外しておきましょう)。その推移とアクセスログ解析でわかるページビュー(PV)の推移やリファラーを並べて見ることで、何か関連性が見つかるかもしれません。

ソーシャルブックマーク(SBS)からの影響度を調べるのもひとつの方法です。ネットの口コミの一種と位置づけて、ソーシャルブックマークからのアクセス数を記録しておきましょう。

ただ、ソーシャルブックマークを利用しているユーザーは、まだ少数で特殊な人が中心であるという認識は持っておいてもいいかもしれません。ブログの種類によっては、ここからのアクセスはほとんどない場合もあると思います。

また、はてなブックマークでは、自分のブログの記事がそれぞれ何人にブックマークされているのかを、まとめて見ることができます。

  • http://b.hatena.ne.jp/entrylist?url=http://(ブログのURL)

これを定期的にチェックしておくといいでしょう。

独自にブログの人気度を評価するサービスもあります。

フィードメーターは、独自の基準で「人気度」と「更新頻度」を数値化してくれます。ある程度の客観性を持っているので、参考程度に他のブログと比較して評価することができると思います。

Technoratiでは、プロフィールを登録することで、「いくつのブログから」「どれぐらいの被リンクを集めているか」、またそれらを元にした「Technorati Rank」を算出します。

BloginfluenceとHow Much Is My Blog Worthは、少しお遊び的な要素が強いですが、他のブログと比較してみると面白いかもしれません。これらはTechnoratiの数字や、GoogleやYahooのPageRankやIndex数を基に算出しています。

ブログと親和性の高いアクセス解析サービスを利用する

アクセス解析の中には、ブログと親和性の高いものがあります。

トラックワードは、どのようなキーワードで検索エンジンからブログの各エントリー記事にアクセスされているのかを、エントリー記事に表示させるサービスです。意図したキーワードで訪問されているのかがひと目でわかります。

MyBlogLog Statsは、「(どのページの)どのリンクをクリックしたか」という点に絞ったアクセス解析です。無料版は機能が限定されていますが、それなりに情報を得ることはできます。Performancing Metricsも、「どのリンクをクリックしてブログ外に出たか」や「どのページのGoogle Adsenseがクリックされたか」といった特殊な項目を知ることができます。mapsurfaceは、ページ単位でのアクセス状況や流出状況が、アクセスした訪問者も知ることができるというユニークなサービスです。

Measure Mapは、まだテストユーザーしか利用できないようですが、ブログ専用のアクセス解析サービスとのことです。「i d e a * i d e a – measuremap画面満載長文レビュー!」で、詳しくレポートされています。

「面倒くさい」「わからない」と思わず、「体験してみる」こと

以上のようなことをチェックしておくだけで、そのブログがだいたいうまくいっているか、あるいはまだまだなのかは漠然と見えてきます。これを踏まえた上でアクセスログ解析の結果を眺めると、何かが繋がるはずです。「上記に挙げたものを全部調べるのは面倒じゃないの?」と思うかもしれません。でも、それをやってみるのです。時間も、案外思っているほどかからないはずです。

Web2.0的なツールを使ったり評価したりするには、まずWeb2.0的な世界を深く体験してみることです。誰かから説明を聞くだけではなく、自分からその中に飛び込んでみることで、そのニュアンスがわかってきます。空気がわかってきます。Web2.0的な世界には、ある種独特の空気が漂っています。その雰囲気に慣れてきたら、そのブログがイケテルのかイケテナイのか、なんとなくわかってきます。上記に挙げたツールなどは基本的に無料で利用できるものばかりですが、それでもなんとなくわかってきます。もちろん確実な数値で評価できればいいのですが、その数値もWeb2.0的な世界ではそれほど重要ではないことは、体験しているうちに気がつくと思います。

ブログは、厳密に分析することよりも、発信してそこから派生することを体感することの方が、おそらく大切だと思います。発信、しましょう。