メディア・パブによる紹介で、一気に広く知れ渡ることになった「SMO (Social Media Optimization)」というキーワード。Ogilvy Public Relations社のRohit Bhargava氏が初めて使用したとのことです(Influential Interactive Marketing: 5 Rules of Social Media Optimization (SMO))。
SMOとは、ブログ(Blog)やSNS、Q&Aコミュニティ、検索エンジン(ブログ検索などを含む)、ソーシャルブックマークやソーシャルニュースといった、「CGM(Consumer Generated Media)とそれらをアグリゲートしたもの/検索するもの」をまとめて「ソーシャル・メディア」とまず定義し、その中で存在感を高めてアクセス増加に繋げる対策のすべて、ということでしょう(ヤフーも昨年末に「ソーシャルメディア」というキーワードを使っていました)。日本語にすると「ソーシャルメディア最適化」といったところでしょうか。
「また新しい言葉か」とバズワード的なもの(流行のキーワードのように使われる少し怪しいもったいぶった言葉)と捉える人もいるかもしれません。でも、僕は案外この概念(考え方)を気に入っています。メディア・パブでも紹介されていますが、1~2年前に「Social Marketing Optimization」というくくりで「SMO」という言葉が現れましたが、定着には至りませんでした。ただ、当時僕が理解していた「Social Marketing Optimization」は、今回広まっている「Social Media Optimization」の僕の解釈と非常に近いです。
SEOやSEMといった小さなくくりで見てしまうと、小手先のテクニックでも多少の効果が出てしまうことがあるために、そういったものに走ってしまって本質を理解されないといった事態になりがちです。SEOやSEM、またLPOなどは、広く捉えれば「検索行動への対策」であって、またそこにはサイト内検索といった内側の検索行動も含まれてくるでしょう。その検索行動の向こう側を見れば、CGMをはじめとしたメディアやコンテンツへの取り上げられやすさなどの対策があり、こちら側を見れば、コンテンツ内容の充実や手直しといった課題があります。それらは独立分離しているのではなく、互いに関連しあっているので、例えばコンテンツ内のキーワードを手直ししただけのSEOであれば、このSMOという大きなくくりの中の一部に過ぎない、ということです。
メディア・パブでもうまく訳されてますが、Rohit Bhargava氏はSMOの対策として以下の5つを挙げています。
- Increase your linkability
ブログなどでリンクされるような魅力あるコンテンツを発信し、被リンクの可能性を増やすこと - Make tagging and bookmarking easy
ソーシャルブックマークでブックマークされやすく、また適切なタグでタグ付けされやすいようにすること - Reward inbound links
ブロガーがリンクしたくなるような状態を整えること。パーマリンクや被リンク状況(例:トラックバックリスト)などの提示 - Help your content travel
PDF、ビデオファイル、オーディオファイルなどを提供して、Web以外のところに持ち出せるようにすること(例:ポッドキャスト)。そこからいつかはlink backとなる - Encourage the mashup
コンテンツを外部で利用されやし状態にする(マッシュアップされやすくする)。例えばRSSなどのフィードの配信によって、サイト外で利用されトラフィックを生む
他にも各所でそれ以外の対策が議論されているようです。考え方が座っていれば、ケースに応じた対策が打てるでしょう。ただ、テクニックに走るのではなく、ソーシャルメディアを俯瞰してその中でその対策がどう機能してほしいのかを考えなければいけないと思います。
9/6追記。Wikipedia(英語)の「Social Media Optimization」の項を見ていて、「つながりやすくすること」というキーワードがありました(helping facilitate “connectedness”)。物理的につながりやすくするだけでなく、コンテンツ内容(話題)としてつながりやすくするには、と考えると、ソーシャルメディアの空気感の理解なども必要になってきますね。「最適化」という言葉にしてしまうとテクニック的なものをイメージしてしまいますが、理解して確実に行動に移すということが中心になるのではないかと思います。
例えば、内容あるブログを書き続けるとか、ね。