そのキーワードは、あなたが声を掛けようとしている人たちを振り向かせるものですか?

日曜日、家の近くのドラッグストアの目薬のコーナーでのこと。販促用の小さなモニターから某目薬のPRで音声付きの映像が流れているのが聞こえてきます。「○○○○は、アクティブエイジのための、高機能目薬です」。

「アクティブエイジ」。

その言葉を耳にしたときは、たぶん僕はそこ(ターゲット)には含まれないだろうなと曖昧ながら思ったのですが、いまひとつ確信はありません。Googleで検索すると、やはりどうやら「活動的なシニア層」のようですが、青年アクティブライフ総合保険と銘打った商品名でもあったりするようなので、文字通り「活動的な人生(を送っている人)」なのかもしれません。でも、おそらく元気いっぱいのご年配の方々なのかなとは思いますが。

さて、「アクティブエイジ」という言葉は、活動的なシニア層にとって「自分たちのことかいな?」と思わせられているのでしょうか? どうでしょう。年配の方々は自分たちをそういうくくりで見てほしくないという意見も聞きますし、そもそも「アクティブエイジ」という英語(ある意味、和製英語?)が伝わるのかな、と。

自分たちがあたりまえのように使っている言葉は、実は他の人にはピンとこない言葉だったりします。業界内の専門用語はまさにその類ですが、小さな世界でその言葉に頻繁に触れていると、感覚が麻痺してしまうのか、周知の言葉のような錯覚を起こしてしまいます。

例えば僕らであれば、PV(ページビュー)、CMS、PPC、CGM、ロングテール、コンバージョン、などなど……。僕もお客さんの前などでこのような言葉を使う際は、言葉を選びつつ、相手がどのあたりまでなら理解されるレベルかを探りつつ使うのですが、案外みなさんわからない言葉が出ても「ふんふん」と頷いたりしてるんですね。相手と同じレベルでコミュニケーションをとることは、まだまだむずかしいところです。

で、件の「アクティブエイジ」、伝わっているのか気になるところです。もしかしたら実はやっぱり僕に向けて言っているのかもしれません。

もうひとつ言葉で気になるといえば、JTのスローガン「The Delight Factory」の「Delight」という言葉。最近、JTの企業CMをよく見かけるように思うのですが、ごく普通に「Delight(ディライト)」という言葉が使われていて、それがちゃんと届いているのかが気になります。あのCMのトーンで、なんとなくそのニュアンスはわかるといえばそうなのですが、じゃあ「ディライトって何?」と聞いて、みんな結構ぼんやりとした答えしか出ないような感じがします。その「Delight」の意味(メッセージ)を、安易に言葉で伝えようとしていないだけなのかもしれないですけど。

言葉はむずかしいです。