数字のメッセージは強いけれども、同時に何種類も提示すると、とたんに何も届かなくなってしまうかもしれません。
上の写真は、新宿の地下街にて見かけるゆうちょ銀行の広告。8種類ほどの広告が連貼りされているのですが、ここを通りかかるとき、広告は目にとまるのですが、ここから何もメッセージを受け取らないんですね。有名人の笑顔がいくつもこちらを見ているのに、「うーん、ああいいや」となってしまう。
なんでだろうと思っていたのですが、たぶん投げてくるメッセージの種類が多いんでしょうね。「2」とか「0」とか「24」とかの数字もちゃんと「わっ」と飛び込んでくるのですが、歩くスピードに対して少しトゥマッチなんだと思います。
確かに「ひとつの広告にひとつのメッセージ」なのですが、連貼りされているために、メッセージが6つになってしまっているという。同時に6つのボールが飛んできた感じ。
一方で、こちらの写真も同じ新宿の地下街で見かけるデジャヴュのアイライナーの広告。さっきのが8連貼りでこちらは2連貼りという違い(というかハンデ)もありますが、こちらは歩くスピードでもメッセージは受け取れます。「24」と「クッキリ」なんですね。これは伝わる。
ひとつの広告にひとつのメッセージという点では、たぶん両者ともそれほど違いはないと思うのですが、「違う種類を連貼り」と「同じ種類を連貼り」という「現場での表現の違い」で、メッセージのボリュームが変わってしまったんですね。
とまれ、特に数字の表現は目に飛び込んで来やすいですが、数種類の数字のメッセージの同時提示は、どれひとつとして受け取ってもらえないかもしれません。