「七夕」は「ハロウィン」の夢を見るか

日本には七夕という素敵なイベントがあって、商売にもつなげられそうなのに、なんでこれ以上盛り上がらないんだろうねと、とずっとぼんやり思ってます。七夕を盛り上げようと1995年(平成7年)7月7日にスピッツの「涙がキラリ☆」が発売されて、そのときに僕も意識し始めたので、それから20年も経ってしまいました。思っているだけで特に何もしていないので、ゴメンナサイなのですが。

写真は、先日打ち合わせで訪問したビルの1階に飾られていた短冊。

20年が経ち、七夕は相変わらずですが、ハロウィンはディズニーランドの猛プッシュもあってあれよあれよと一大市場になり、イースターも新たな市場形成を狙っているようです。ハロウィンもイースターもいいんですけど、七夕なんとかならないですかね。

去年、ハロウィンの市場規模のニュースを見た記憶があって、何だったっけ、ホワイトデーの市場規模を抜いたというニュースだっけ?と調べたら、バレンタインの市場規模に並んだ、越えたみたいな話でした。

ただ僕はちょっとこれには懐疑的で、数字を盛りすぎなんじゃないの?思っていますので、それとは別の、富士経済の2014年の調査を引用しておきます。

市場規模 2014年見込(前年比)

  • 正月・年始:1,371億円(101.9%)
  • クリスマス:915億円(101.8%)
  • バレンタインデー:603億円(102.2%)
  • ハロウィン:102億円(105.2%)
  • イースター:6億円(260.0%)

富士経済 – 伝統的な行事である正月、新たに定着するハロウィーンなどイベントにおける加工食品市場を調査より

主に食品市場での規模とのことですので、それ以外の品目を含めると上記より大きな数字になるかもしれません。イースター、2倍以上の伸びで6億円規模ですか。七夕の市場規模はどのぐらいでしょうか。

先日、立川駅構内の商業施設(エキュート立川)をぶらぶらしていると、「サマーバレンタイン」なる文字を見かけました。

「サマーバレンタイン」

「サマーバレンタイン=七夕のキャンペーンである」ということに気が付くのに、少し時間がかかりました。「バレンタイン」という別の文脈のキーワードを流用されると、「サマーバレンタインって何だろう?14日?」などとこんがらがってしまい、ピンときません。

「サマーバレンタイン」で調べると、どうやらメリーチョコレートが旗を振って「7月7日はサマーバレンタインデー」とがんばっているようです。2010年には日本記念日協会に登録済みとのことで、正式には「メリーのサマーバレンタインデー」だそう。

「7月7日サマーバレンタインは夏の愛の日。メリーチョコレートでは、大切な人へ、星のスイーツと一緒に想いを伝えることをご提案しています。」

メリーチョコレート – あなたのエピソードが漫画になる?サマーバレンタイン、星にまつわる甘いエピソード募集

メリーチョコレートは日本でのバレンタインデー普及にも関わりが深いので(メリーチョコレート起源説があったはず)、「ここはぜひ夏も」ということなんだと思います。でも、「サマーバレンタインデー」ですか。ううむ。

ちなみに、エキュート立川の「サマーバレンタイン」のキャンペーンは、メリーチョコレートとは直接は関係なさそう。

「大切な人へ、○○と一緒に想いを伝える」というのは賛成なんですけどもね。相方さんも曰く「七夕って、自分事にならないんよね」なので、織姫と彦星のストーリーを、自分たちのところに下ろしてこないといけません。

七夕の風習はもともと神事なので、その文脈はある程度押さえつつ、もう少しもう少し、華やかに広がりませんかね、七夕。