首都圏のどの路線に駅前スタバが多いのかを調べてみたら、西武新宿線はやっぱり少なかった

先日ちょっと魔が差して、首都圏の路線別にコーヒーチェーンの「一駅あたりの駅前店舗数」を調べてみました。

きっかけは、少し前にTwitterで見かけた「西武新宿線沿線にはスターバックスが少ない」という話題。

僕が住んでいるのは西武新宿線沿線ですが、確かに西武新宿線にはスターバックスは少ないです。調べてみると、西武新宿と高田馬場を過ぎれば都内はもうなくて、埼玉県の所沢まで駅前店舗はありません。所沢の先も、スターバックスがある駅は新所沢と本川越だけです。

つまり、西武新宿線で駅前にスターバックスがあるのは5駅。一方で西武新宿線の南を走るJR中央線はスターバックスだらけな気がします。

これって他の路線と比べてやはり少ないのだろうか、ドトールやタリーズといった他のコーヒーチェーンではどうなのだろうか。

首都圏の路線別にコーヒーチェーンの「一駅あたりの駅前店舗数」を調べてみた

ということで、首都圏の主要路線別にコーヒーチェーンの「一駅あたりの駅前店舗数」を調べてみました。対象はスターバックスとドトールとタリーズの3つのコーヒーチェーン(*1)。「駅前店舗」は駅から半径300m圏内の店舗をカウント(*2)。駅前店舗数を路線の駅数で割った数字を「一駅あたりの駅前店舗数」としました。カウント期間は2017年10月18日~10月20日(*3)。

その結果がこちら。

首都圏の主要路線別の「駅前店舗数/駅数」
▲首都圏の主要路線別の「一駅あたりの駅前店舗数(駅前店舗数/駅数)」。左からスターバックス、ドトール、タリーズの順

駅前にスタバとドトールが1店舗以上ずつあるのは、郊外通勤路線ではJR中央・総武線(新宿以西)と東急東横線だけ

JRの首都圏路線はビジネス街だったり主要駅しか停車しない快速路線だったりで数字が大きいのは当然として、JR中央・総武線(新宿以西)と東急東横線、埼京線(池袋以北)はスターバックスとドトールの店舗が多いことがわかります。

郊外への標準的な通勤路線に限って言えば、駅前にスターバックスとドトールがそれぞれ平均1店舗以上あるのはJR中央・総武線(新宿以西)と東急東横線だけでした。JR中央線には新宿に加えて吉祥寺や立川、八王子といったターミナル駅があり、東横線も渋谷と横浜に加えて中目黒や自由が丘といった人気オシャレ地域を通っている強さを感じます。またどちらの路線も比較的まんべんなく各駅に駅前店舗がある感じです。

西武新宿線にスタバは少なく、さらに少ないのは京成本線

一方で我らが西武新宿線はというと、スターバックスで0.24、ドトールで0.52と小さい数字。「西武新宿沿線にはスターバックスが少ない」というのは概ねそのとおりでした。

また京成本線はさらに駅前店舗が少なく、スターバックスで0.17、ドトールで0.45という結果でした。スターバックスの店舗は京成上野を過ぎると次は京成船橋で、そこから先は成田空港までありません(空港第2ビル駅と成田空港駅に各2店舗)。

ややネタ的につくばエクスプレス線を集計に加えてみたのですが、スターバックスで0.45という思いのほか大きめな数字となりました。秋葉原と北千住というターミナル駅があることに加えて、駅数も少ないからでしょう。ただ、駅前スタバがあるのは秋葉原と北千住の他は流山おおたかの森とつくばの合計4駅と少なく、西武新宿線と京成本線と状況は似ています。

京成本線と西武新宿線は3つのコーヒーチェーン合計で駅前1店舗を切る

3つのコーヒーチェーンの合計の「一駅あたりの駅前店舗数」も合わせて載せておきます。

3つのコーヒーチェーンの合計の「駅前店舗数/駅数」
▲3つのコーヒーチェーンの合計の「駅前店舗数/駅数」

3つのコーヒーチェーン合計で駅前に平均1店舗ないのは、京成本線と西武新宿線でした。この2路線は、スターバックスだけでなくコーヒーチェーン店そのものが少なめの路線のようです。

集計対象とした首都圏の主要路線の条件は以下のとおり。

集計対象とした首都圏の主要路線の条件
▲集計対象とした首都圏の主要路線の条件

JRの中央・総武線や京浜東北線は、一部都心を走ったり山手線を併走したりすることもあって、「都心」と「郊外」に分割して集計しました。また通勤路線とはいえ「かなり郊外」を走る路線もあり、運行形態を参考に「郊外すぎる駅」は対象外にしました。どこで分割するかでツッコミが入るかもしれませんが、ご容赦を。

ドトールよりスタバが多い郊外通勤路線は、JR中央・総武線(新宿以西)、東急東横線、つくばエクスプレス

スターバックスとドトールのどちらの駅前店舗が多いかという比較も算出してみました。

スターバックス・ドトール比較
▲スターバックスとドトールの比較。マイナスの数値が大きいほどドトール店舗が多く、プラスの数値が大きいほどスターバックス店舗が多いことを表す

上図は、路線ごとにスターバックスとドトールのどちらの店舗が多いかを表したものです。ゼロを境に、マイナスの数値が大きいほどドトール店舗が多く、プラスの数値が大きいほどスターバックス店舗が多いことを表します。「スターバックス店舗数/ドトール店舗数-1」で算出しています。

郊外通勤路線では、JR中央・総武線(新宿以西)、東急東横線、つくばエクスプレスの3路線が、ドトールよりスターバックスの店舗が多いことがわかります。

ちなみに、日本全国では執筆時点でスターバックスは1,298店、ドトールは1,147店あります。日本全国での「スターバックス店舗数/ドトール店舗数-1」の値は「0.13」です。

西武新宿線はこれでいいんですよ

ということで、「西武新宿沿線にはスターバックスが少ない」かどうかを調べるために、やや面倒な集計をしてみました。

地元駅前にスタバがあったらうれしいとか行くとかはまた別の話でしょうし、各社とも出店戦略は異なるでしょうから、だからなんだという感じでもあるのですが、各路線のカラーが垣間見られる結果となったように思います。

いや、西武新宿線はこれでいいんですよ。

*1 執筆時点で日本のコーヒーチェーンの店舗数第3位は768店のコメダ珈琲店なのですが(タリーズは682店で第4位)、首都圏ではコメダ珈琲店は店舗数がまだ多くなく東京都内に47店舗のため、今回の集計の対象からは外しました(都内のタリーズは193店舗)
*2 「駅前店舗」は駅から半径300m圏内の店舗をカウント。ただし厳密に駅出口から測るのは困難な駅が多く結構アバウトです(特に地下駅や大きな駅ビル併設駅は改札口から駅出口がかなり離れていたりもするので)。
*3 カウントにはロケスマはんけいというすてきWebサービスを利用して、目視でカウントしました。多謝。