ちょっとがっかりした。いろいろとがっかりした。
どうしてサントリー「ザ・プレミアム・モルツ」のCMで流れる「Hey Jude(ヘイ・ジュード)」は、ビートルズではなくてニセモノによるバージョンなんだろう。
「ザ・プレミアム・モルツ」は、”華やかな香り”と”深いコクと旨み”をさらに追求し、3月13日(火)からリニューアル新発売します。今回の新TV-CMは、SMAPの木村拓哉さん、香取慎吾さんを起用。ザ・ビートルズの「Hey Jude」をBGMに、日本の歴史とビールの歴史を振り返りながら、「ザ・プレミアム・モルツ」の魅力をお伝えしていきます。(中略)
CMソング:「Hey Jude」 The Beatles
違う。ビートルズの「Hey Jude」ではない。ニュースリリースという公式の文書で嘘を書いてはいけない。『CMソング:「Hey Jude」 The Beatles』ではない。
SMAPの木村拓哉と香取慎吾を起用し、90秒という長尺のCMで、ビートルズをBGMにという触れ込みで、王道感たっぷりで展開するのだと思っていたのに、ビートルズではなかった。おそらく無名のアーティストによるCM用に録音された楽曲なのだろう。
「世界最高峰のビール」を目指すというサントリーの「看板ビール」であり、「最高金賞のうまさ」を掲げる、本物感を前面に打ち出した商品だというのに、「then you begin to make it better」という曲中のフレーズはなかなか悪くないと思うのに、
どうして「本物のビール」が「本物ではないニセモノ」で妥協するんだろう。
本物ではない。
本当にそれでいいの?
プレモルのCM、「ビートルズのヘイ・ジュード」って、ビートルズちゃうやん。クレジットもない無名アーティストのCM用やん。それ本物ちゃうやん。って思った。
— いちしま泰樹 (Cinci) (@makitani) March 2, 2012
なんで「ヘイ・ジュード」なんだろう、って思った。高揚感、かな。だとしても、ビートルズのバージョンは版権高いし許可でない可能性もあるんだから、その選択はどうなんだろ。
— いちしま泰樹 (Cinci) (@makitani) March 2, 2012
元戻るけど、長編のCMだけに、「本物じゃない」という印象は少なからず感じたままだったんだけど、それは僕固有のものなんかな。
— いちしま泰樹 (Cinci) (@makitani) March 2, 2012
僕はビートルズが大好きだ。「Hey Jude」の緊張感のある演奏も後半の高揚感も大好きだ。だからかもしれない。「ビートルズ」という触れ込みで初めてCMを目にして、ツイートしたとおり、「本物じゃない」という違和感が最後まで続いた。90秒。
「違うやん」、と。
たとえば、「Ob-La-Di, Ob-La-Da」のユッスー・ン・ドゥールによるカバーであれば、『ユッスー・ン・ドゥールの「Ob-La-Di, Ob-La-Da」』という表記になる。仮に「ビートルズ」という文字を入れたければ、『ビートルズの「Ob-La-Di, Ob-La-Da」のユッスー・ン・ドゥールによるカバー』などとなるだろう。歌っているのはユッスー・ン・ドゥールなので、「ビートルズのOb-La-Di, Ob-La-Da」と書けばそりゃ両者に失礼になる。
例:Honda|Honda Movie Channel|ステップ ワゴン – 「おむかえ」篇
いろいろと事情はあるのだろうけれど(最近のCM楽曲は、オリジナルに似せたカバーばかりだ)、本物のビールが、本物じゃないものを使って「本物です」というのは、嫌だ。そういうのは見たくない。
本当にそれでいいの? 『CMソング:「Hey Jude」 The Beatles』と書いてあるけれど、本当にそれでいいの?
もしかしたら、どこかのタイミングで差し変わるのかな? そうあってほしい。
また、いま流れているバージョンが誰の歌(演奏)かは、あまり興味はない。
余談。
ビートルズのバージョンによる楽曲は、いまは関係のない商品のCMでは使用されていなかったはずだと思う(許可を出していないはず。違っていたらごめんなさい)。僕の記憶では、1980年代後半に日産の車のCMで使われた「You never give me your money」が最後ぐらいだったんじゃないかなと(少なくとも日本では)。検索したら「1987年」と出てきた。
2010年に、アップルのiTunes Storeでビートルズの全楽曲が取り扱い開始になった際、アップルのiTunesのCMでビートルズの(もちろんカバーなどではないオリジナルの)「Magical Mystery Tour」が使用されたけど(すてきなCMだった)、これは紛れもなく商品がビートルズそのものだったからだ。