Web マーケティング ROI Day レポート – パネルディスカッション「時代は PR2.0 へ」

11/9 に東京ビッグサイトで行われたカンファレンス「Web マーケティング ROI Day」のレポート第3弾、パネルディスカッション「時代は PR2.0 へ」の模様です。

時事通信の湯川鶴章氏、マイネット・ジャパンの上原仁氏、ケンコーコムの中郁乃氏の3氏と、モデレーターはニューズ・ツー・ユーの神原弥奈子氏によるパネルディスカッション。期せずしてニューズ・ツー・ユーのセッションを3つすべて聞いたことになるのですが、レポートはこのディスカッションのものを取り上げます。

大きな話題としては(確か)二つ。

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Web マーケティング ROI Day レポート – 西川潔氏 藤田晋氏 「Web マーケティングの未来像」

11/9に東京ビッグサイトで行われたカンファレンス「Web マーケティング ROI Day」のレポート第2弾、パネルディスカッション「Webマーケティングの未来像」の模様です。

株式会社ネットエイジグループ社長の西川潔氏と株式会社サイバーエージェント社長の藤田晋氏による経営者対談。主に西川氏が藤田氏に問いかけるという形で進められました。主な話題は以下のようなもの。

  • ネット広告のこれから
  • 口コミの力
  • アフィリエイト
  • 携帯(モバイル)の広告
  • 懸賞プロモ、ポイントサービス
  • 動画広告
  • RSS 広告

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Web マーケティング ROI Day レポート – John Quarto-von Tivadar 氏基調講演

11/9に東京ビッグサイトで行われたカンファレンス「Web マーケティング ROI Day」に行ってきました。その中のいくつかのセッションのレポートをお送りします。

一つ目の基調講演は、Future Now, Inc. の CTO (Chief Thinking Officer)、John Quarto-von Tivadar 氏によるもの。「お客様志向のWebマーケティング品質改善」と題したコンバージョン率の向上を中心のテーマとした内容で、PPC 広告とその先にあるランディングページの事例をいくつか挙げながらの解説でした。

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消費者中心時代 – モスバーガーの企業メッセージのパネルから

写真はモスバーガーの店舗内にある、モスバーガーの企業メッセージを伝えるパネルです。どれだけお客様のことを思って丁寧にサーブしているか、押し付けがましくないギリギリのメッセージで、非常にさりげなく、むしろ素敵な見せ方をしていると思います。

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消費者が主導権を握る時代

ブログ界でも広告業界でも話題の『テレビCM崩壊 – マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0』を、今更ながら読んでいます。アメリカの広告事情を把握していないとついていけない箇所がところどころにあるのですが、旧態依然とした広告には消費者はもう振り向かないよという刺激的な事例が多く挙げられています。

本の中で何度も繰り返し出てくるのが「消費者が主導権を握った」という表現。消費者が過去10年の間に大きく変わって力を持つようになったのが、ひとつのポイントだと指摘しています。7章では「変貌する消費者を再考する」として、新しい消費者像を提示しているのですが、非常にうまく捉えていて大変参考になります。

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自分たちの会社は「何を」売っているのか – 中小企業と Web2.0 (2)

前回のエントリー記事「中小企業とWeb2.0」の続き。

実際の「商売」の部分は Web2.0 とはあまり関係がない、と書きましたが、「自分たちの会社はいったい『何を』売っているのか」という、まさしく商売の部分の理解があるほど、「Web2.0 の時代」にうまく効果を出せるのではないでしょうか。

「自分たちの会社はいったい『何を』売っているのか」。化粧品メーカーは化粧品を売っているのではなく「美しくなるためのもの」を売っていて、果物屋さんは果物ではなく「健康的な生活を送れるもの」を売っています。IBM の取締役だった方は、「我々はコンピュータを売っているのではなく、問題解決のためのソリューションを売っているのだ」と言っていたそうです。

佐々木俊尚氏著『検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた! – 中小企業の Web2.0 革命』に出てくる企業の事例として、屋形船を営む会社と江戸切子を売るお店の話が出てきます。どちらも、検索エンジン対策と PPC広告に取り組み出し、徐々にキーワードの幅を広げていった、という話が展開します。本には明確な形で書かれていませんが、両者とも「自分たちの会社はいったい『何を』売っているのか」に気がついた点が大きなポイントではないかと思います。

当初は「屋形船」「東京湾 屋形船」といったキーワードを登録していたが、しばらくして「東京湾 夜景」「宴会 幹事」などとキーワードの幅をかなり広げるようになった。
そうしたのは、「屋形船」というキーワードだけでは客層が限られてくるということに気づいたからだった。たとえば、
「今度の宴会は、みんなで東京湾の夜景でも見たいね」
と社内で盛り上がっても、そこでいきなり「屋形船に乗ろう」とはならない。宴会幹事が東京湾の夜景を楽しむために検索エンジンで何かのサービスを探すとしても、「東京湾 屋形船」というキーワードはあまり使われない。そもそもが宴会で屋形船に乗るという発想が幹事の側にもともとないのだ。

『検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた! – 中小企業の Web2.0 革命』 P130より

屋形船を営んでいる会社は、屋形船の乗船を売っているのではなくて風情を楽しむことを売っているのだ、と気がついたのです。ここに気がつくかどうかで、成功には差が出てくると思います。江戸切子を売るお店も、途中で「焼酎」といったキーワードに気がつき、大きく売り上げを伸ばします。

「Web2.0」は、企業にとってそれだけではたぶん魔法ではありません。ただ、これまでの「商売」と組み合わせることで思いがけない効果が出たりするものだと思います。「商売」の部分が強ければ、大企業とも渡り合えるだけの力を差し出してくれるのが、「Web2.0」のテクノロジーなんじゃないかと思います。

中小企業とWeb2.0

佐々木俊尚氏著『検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた! – 中小企業の Web2.0 革命』を読みました。中小企業が検索エンジンと PPC 広告を利用していかに事業を立て直したかという事例が、詳細に描かれています。

「Web2.0」というキーワードを絡めた記事を、一般の雑誌やフリーペーパーでも見かけるようになりました。「うちのホームページも Web2.0 に対応してくれ」というような、少しヒアリングをしなければ意図が掴めないような依頼も来ています。ただ、言葉が一人歩きしていようなる状態の「Web2.0」と、たとえば中小企業のサイトは、なかなか結びつきにくいものです。そのようなときに、本書は一つのヒントになると思います。

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「松竹梅」戦略 – 価格設定とネーミングを軸としたマーケティング

「松竹梅」戦略と言うのかどうか知りませんが、お客(ユーザー)の購買心理と日本人の中流階級意識を利用したマーケティング戦略があります。

うな重のお店のお品書きに「松」「竹」「梅」と書かれていたら、日本人は「竹」を多く選びます。「松」は高くて手が出ないけれど「松」は少し貧乏くさい、という購買心理が働くからです。価格設定とネーミングを軸としたマーケティング戦略ですね。ユーザーが自分で選んだことで満足度や納得度が上がるという効果もあります。

商品ラインナップの中で、Aの商品は売りたいけれどBの商品はサービス品で利益率も低いからあまり売りたくないという場合は、この戦略をとると効果的な場合があります。ポイントは2つ。

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どれだけロイヤルカスタマーを作るか – SEOと美容院選び

先日、美容院に行って髪をバッサリ切ってきました。ただ、いま住んでいるところに引っ越してきてからはどこの美容院に行っていいやらわからず、結局検索エンジンのお世話になりました。「美容院」と「(地名)」の組み合わせで検索し、ここかな?というところをあらかじめ下見までしてから、先日の訪問となりました(美容院選びは男にも結構センシティブな問題だったりします)。

で、髪は満足のいくものになり、店の雰囲気もそこそこ悪くなく、僕を担当してくれた方との話もそれなりに弾み、僕はしばらくはそこの美容院に行くことを決めました。その美容院にとっては、SEOやPPC広告がきっかけで、顧客を一人獲得したような形になります。

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AISESEES – CGMでの口コミを軸とした消費者の購買行動モデル

「AISESEES」という、CGM (Consumer Generated Media)での口コミを軸とした消費者の購買行動モデルを考えてみました。

Web2.0 時代というよりもインターネット・ビジネス(eコマース)が活発になった頃から、消費者の購買プロセスは AIDMA から AISAS、AISCEAS へと移ってきたとされています。特にその中でキーとなるのは、AIDMA にはなかった要素「Search(検索)」と「Share(情報共有)」ですが、どうも最近の様子を見ていると「Action(購入)」に至るまでに「Share(情報共有)」が始まっていることが多いように思います。

そこで、AISESEES というモデルを考えてみました。

Attention(注意)→ Interest(関心)→ Search(検索)
→ Enthusiasm(熱中)→ Share(情報共有)→ Experience(購入・体験)
→ Enthusiasm(熱中)→ Share(情報共有)

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