11/9に東京ビッグサイトで行われたカンファレンス「Web マーケティング ROI Day」に行ってきました。その中のいくつかのセッションのレポートをお送りします。
一つ目の基調講演は、Future Now, Inc. の CTO (Chief Thinking Officer)、John Quarto-von Tivadar 氏によるもの。「お客様志向のWebマーケティング品質改善」と題したコンバージョン率の向上を中心のテーマとした内容で、PPC 広告とその先にあるランディングページの事例をいくつか挙げながらの解説でした。
アクセス解析のツールは多くの項目を調べることができるようになったけれども、「どういう人が向こう側にいるのか」まではわからない。だからコンバージョンを考えるとき、人々がどう考えて購買に至ったのかに目を向けなければいけない、と。「ユーザーの立場に立って」と我々もよく口にしますが、なぜ人々がそう行動したのかを数字やグラフ以外のところからも分析・推測していくのは確かに大切なことです。「persuasive(説得力のある)」という言葉を使っていましたが、人が自発的に動けるように企業側が persuasive でなければいけない、としていたと思います。
印象的だったのは、「scent(匂い)」という言葉を頻繁に用いていたところ。「人々が求めている匂いや意味のある匂いが、PPC 広告やその先のランディングページの中やそれ以降のフローなどで同じ匂いを発していなければならない」としていたところは、表現としてなかなか上手く表していると思います。米スーパーボウルでの CM の例も挙げて、CM でせっかく「続きはウェブで」と促しているのだから、同じ匂いをウェブでも展開しなければコンバージョン率の向上にはつながらないよと、改善案の提示もしていました。このあたりは、日本の現在のメディアミックスや広告コミュニケーションの参考にもなると思います。
また、「ユーザー」ではなく「人々、顧客」だとの一節もありました。「ユーザー」はシステムの一部を連想させるからだ、と。「消費者中心時代のマーケティング発想(Japan.internet.com)」の記事で述べられている、「売る」から「売れる」へという視点と同じだと思います。これは、我々の中でもこれからもっと意識していかなければならないでしょう。
「売れる」会社、「儲かる」会社になるためには良きビジョンがあり戦略があった上の計画的な事業活動が必要なはずです。そしてそういった事業活動はすべて企業のブランディングにも寄与していくはずです。
そう、その通り。心に留めておきます。