「問題」と「課題」と「依頼」は違う

寓話です。

相談やお問い合わせで、「○○を△△してほしい」という内容をいただくことがあります。例えばツール名や依頼内容もかなり具体的で「(ツール名)の○○をホニャララしてほしい」というようなものです。

そのまま依頼を受けるところもあるのかも知れません。でもこちらはまず「なぜ」を聞きます。「どうしてですか?」「どういう意図ですか?」

聞いてみると「いや、○○がぐちゃぐちゃになってしまって、ホニャララした方が良いと思いまして」という回答をもらえたりします。もらえないこともあります(素直に依頼を受けてくれる他社様へ流れたのかもしれません)。

「○○がぐちゃぐちゃだと具体的にどういうことに困るのですか?」と私。

「○○が多すぎてどれがどれかわからなくなったり、あと別の□□のツールでわかるものもわからなくなったり」という回答。

「どうして○○が多すぎる状態になったのですか? あと○○をホニャララしても□□ツールでわからない状態はおそらく解決しなくてそれは別の原因の可能性が考えられそうなのですが」と私。

「○○は関わる代理店が増えてそれぞれが勝手にナニナニしたからなんですよね」という回答。

「その各代理店様のご契約はいまも続いているのですか?」と私。

「続いているところもあれば終わったところもあったり」との回答。

「まずそのコントロールや調整も必要なのではないでしょうか」と私。調整ができるレベル感や体制かどうかもお伺いしないといけない要素です。アンコントローラブルなのかもしれません。

「あと、それでも○○が増えるのは不自然なのですが」と続けて聞いてみます。

いろいろ聞いてみると、数十のドメインに対して共通のキャンペーンを行っていてそれらを一括で○○で何とかしようとされているらしい。うーむ。

「たぶん今回のケースは○○をホニャララしても全体の状況はあまり良くならず、別のトラブルが新たに起きる可能性がありそうです」

「いったんまずは、今回ご依頼のトピックスの周辺でいま自分たちが何に困っているのかを洗い出していきませんか? おそらく困っているもの「問題」がたくさんあって整理されておらず、その問題のうちどれが対処すべき「課題」に該当するのかが見えていない状態に見受けられます。まずは困っているものを列挙して整理していただくことは可能でしょうか? チームのメンバーだけでなく、支援されている代理店様にも聞いてみても良いと思います」とお伝えしてみる。

道のりは長いかも知れません。もしくはここで途絶えるかもしれません。でもまだこれ、何も始まってもいない状態だったりもします。初期の段階で「一緒に課題を整理しましょう(ちゃんとした取り組みとして)」とお互い歩み寄ることができれば良いのですが、なかなかこの段階から取り組みとしてスタートすることは稀です。私のコミュニケーションの力量にもよるのでしょう。難しいところです。

寓話ですよ。