「プレミアム」は、「ちょっと躊躇する高級さ」から「背を伸ばさなくても手軽に届く高級さ」になってしまいました。
「自分へのご褒美に」「一週間のお疲れさまとして」「あちらを節約しているから、こちらは一つ上のランクを」というカジュアルな高級さ。「プチ」という言葉が似合う高級さ。
身近なコンビニ商品も、棚によっては確実に商品の何割かが「プレミアム」を掲げています。そもそも、プライベートブランドの名称にすら最初から「プレミアム」を含んでいて、100円のお菓子ですら「プレミアム商品」。そんな食品や飲み物やサービスが増えました。
いわば「プレミアム」の一般化、コモディティ化。上の写真のように、わざわざ「最大級」「最上級」を謳わなければ「高級さ」を表現できなかったり伝わらなかったりする「プレミアム」。
プレミアムビールでも、そのラインナップに新たにさらに最上級の商品が登場したり。僕が好きなヱビスビールにも、「ヱビス マイスター 匠の逸品」なんてのが登場したり。
ええ、いいんですよ、いいんですよ。好景気を感じにくい時代が続くと、ほんのちょっとだけ背伸びするぐらいを「高級」と思いたいのですよ。ちょっとだけいつもよりおいしい、ちょっとだけいつもより心地いい。それもまた、プレミアム。
そのうち、本質の高級さを表す新たな言葉が登場するのでしょう。