カジュアルな検索行動の増加と、その後のブランド想起や関係性構築の難しさ

モバイル端末のトラフィック増加に伴い「カジュアルな検索訪問」が増え、「PCサイト前提の思考」をリセットして、コンテンツ内容や見せ方、施策、コミュニケーションを見直さなければいけなくなった、というお話。

モバイルトラフィックの増加とカジュアルな検索訪問の増加

BtoCのWebサイトで、昨年と比べてトラフィックに大きく変化が起きているところが多いです。スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末での訪問が増え、サイト全体のトラフィックの半分を占めていても驚かなくなりました。外出時だけでなく、リビングやベッドルームでのインターネット環境が、昨年と比べて大きく変化しています。

そのモバイル端末での訪問に、「カジュアルな検索訪問」が増えたように感じます。高いモチベーションというわけではないけれども、それほど細かなロングテールキーワードというわけではないレベルの検索クエリ。それなりにサイト内を回遊してくれて、比較的コンバージョンにも到達しやすい。

一方で、サイトでのコンバージョン後の実際の成約や購入で見ると芳しくなく、キャンセル率も高めと耳にもします。コモディティ化した商材で起きている印象はあります。

そして、一部で指名系キーワードの検索流入に減少が見られる点。知名度の高くないサイトであれば、よりネームバリューのある企業やサービスに流れてしまっているのではという懸念。一方で、カジュアルな検索訪問と対をなす「積極的な検索訪問」ははたして増えているのかどうか。これはなかなか見極めがむずかしい。

  • モバイル端末によるトラフィックの増加
  • カジュアルな検索訪問の増加
  • 指名系キーワードの検索訪問の減少
  • コンバージョン後の実際の成約率や購入率の減少、キャンセル率の増加

カジュアルな検索、カジュアルな回遊、カジュアルなアクション。訪問の質とコンバージョンの質が変わってきたということか。

カジュアルな訪問者と、いかに良好な関係性を構築するか

それを嘆いたり悪いと言うわけではなく、実際に自分もそのような利用をしているのも確かです。細切れの可処分時間が増え、情報収集はよりカジュアルになり、「!」と思ったらひとまず「いいね」。比較検討はモバイル端末では物理的に容易ではなく、以前ほどしなくなったのかどうか。

そういったカジュアルな訪問を、いかに次の訪問につなげたり、より前向きな気持ちになってもらったり、ブランドや商品名を覚えてもらうか。いかに良好な関係性を構築するか。あるいは両思いになるか。

そのために何が必要で、いまのサイトや施策に欠けているものは何か。

従来のPC向けサイト前提での思考をいったん横に置いて、リセットした状態で考え直さなければいけないなと感じるこの頃。コンテンツなどの情報発信、コミュニケーション手段と内容、見せ方、温度、ボリューム、などなど。

※これはどこか特定の業界や企業がというわけではなく、取り組んでいる企業様の一部で現在進行形でこのような事象が部分的に見られたり、耳にしたりするもので、確定した内容ではありません。