「ミートソースによく合うパスタ」と提案すること

ただの横展開したバリエーション違いの商品を譜面どおりに売るのではなく、「何かの用途に特化した商品」のように提示すること。提案型にしてしまう。そうするとイメージしやすいし、商品の特長もわかりやすくなります。

写真は、はごろもフーズの「ミートソースによく合うポポロスパ」。なんのことはない、ごく普通の太さ2.1mmのパスタなのですが、「ポポロスパ 2.1mm」として売るのではなく、「ミートソースによく合う」というフレーズで売っています。

はごろもフーズ・・商品のご案内・・

パスタ好きの人には「太めのパスタは濃厚なソースに合う」というのは広く知られていますし、料理に凝る人ならわざわざ用途に応じて太いパスタを選んだりします。けれども、普通の人はそんなことは知りませんから、わざわざゆで時間が長い太いパスタなんて選びません。

そこで、王道のメニュー「ミートソース」に最適、と提案することで、これまで振り向いてくれなかった人に手にとってもらえるようにしています。スーパーのミートソースのレトルトの隣に置いてもらえたりすると、なおよし。

2.1mmのパスタって、相当太いんですけどね。僕も初めて食べましたが、かなり驚きの太さでした。フェットチーネやリングイネも、こうなれば「ミートソースによく合う」としてしまえばいいんじゃないでしょうか。

他のメーカーで見てみると、日清フーズのマ・マーでは、1.3mmの細いタイプのスパゲティを「冷製専用パスタ」として売っています。正確にはフェデリーニという種類のパスタだと思うのですが、冷製パスタソースも合わせてラインナップしていて、「夏のパスタに」という形で提案しているのだと思います(画像は日清フーズのサイトより)。

マ・マー 冷製専用パスタ Cool’s スパゲティ 1.3mm|日清フーズ マ・マー スパゲティ|商品情報|日清製粉グループ
マ・マー 冷製専用パスタソース Cool’s 彩り野菜とトマトのソース|日清フーズ マ・マー パスタソース|商品情報|日清製粉グループ

細いパスタは、冷製パスタだけでなくスープにも入れたりするのですが、まず市場を作ろうとしたのが「冷製パスタ」の分野なのでしょう。

東洋アルミエコープロダクツのヒット商品「石焼きいも黒ホイル」。これも、最初はただの「包み焼きの料理に最適」な「黒ホイル」として売っていたもののパッとせず、「石焼き芋に最適」と用途をかなり限定して売ったところ大ヒットとなったと聞きます(画像は東洋アルミエコープロダクツのサイトから)。

石焼きいも黒ホイル|東洋アルミエコープロダクツ株式会社

やっぱり「包み焼き料理」よりも「石焼きいも」の方がイメージしやすいですし、女性にとっては「包み焼き料理を食べたい」よりも「石焼きいも食べたい」という方がグッとくるでしょうしね。あと、包み焼き料理は普通のアルミホイルでもできそうな気がしますが、石焼きいもなら「え?」とアテンションが生まれます。

「何かの用途に特化した商品」のように提案してあげること。そうすると僕らもイメージしやすいし、そこからひいてはその商品の特長がわかりやすくなるのだと思います。