仕組みと人間

「ほぼ日手帳」には、1日ひとつ「日々の言葉」という「ほぼ日」から引用した言葉が載っています。毎朝その日のページに予定を書き込むときの楽しみのひとつなのですが、今年(2010年)の4月1日の言葉が印象的で、これを書いている4月11日でも反芻したりしています。

まんま引用します。

「ほぼ日手帳」で夢がかなうなんてことは、ないです。
あと、「ほぼ日手帳」で、めきめき仕事ができるようになったなんてことも、
ないと言っておいたほうがいいと思うんです。
なにかがうまくいったとしたら、それは手帳のおかげなんかじゃなくて、
あなたががんばったとか、運がよかったとか、です。

『今日のダーリン』より

これはきっと糸井さんの「とはいってもただの手帳ですよ」という謙遜の思いだと思うのですが、僕は「ほぼ日手帳」の愛好家なので、この「仕組み」の恩恵を大きくいただいていると思っています。夢がかなったことがあるかどうかはわかりませんが、縁の下の力持ちというか、陰で大きく支えられていると感じています。こういうどっしりと安定した「仕組み」を作ってくれたことに、まず感謝。

でも、一方で、「僕ががんばったとか、運がよかったとか」というのもそうだと思っています。最終的にがんばるのは人間。運も実力。人間ががんばらなくてうまくいく状態というのは、それはもうそもそも「普通であたりまえの状態」なんじゃないかと。

仕組みを作るのは大事。誰がやってもそれなりにうまく回るシステムというのは必要。でもその仕組み作りで満足していたり、仕組みに乗っかっていることに満足してはいけなくて、人間がその仕組みに乗っかって、さらにいいものを作ることも大事。

僕は、「ほぼ日手帳」にいろんなことを勉強させてもらっています。