『ウェブ解析力』を読んだ

IMJの方々によるアクセス解析の本『ウェブ解析力』を読みました。悔しいですがよくまとまっています。良い本です。

第2章では、「解析データの読み方を知る」という内容で、アクセス解析の様々なタイプのレポートをどのような視点で見ていけばよいのかについて触れていたり、第7章では「解析データの伝え方を工夫する」という内容で、いかにしてデータを意味のあるものとして伝えるかについて書かれていたりします。従来のアクセス解析の本ではあまり触れられていなかった点ですね。

また、IMJさんが書いていることもあってか、制作者視点や運営者視点で書かれているとも感じます。解析ツールの設定の方法などがほとんど省略されているのも、アクセス解析のそのレポートがどういう意味を持っていて、それをどうやってWebサイトに落とし込んでいくかというところに焦点を当てているからだと思います。コーポレートサイト、ECサイト、サービスサイトというようなタイプ別で章を分けているのもとても納得です。僕だってそうしたいですから。

第1章の始まってすぐにGoogleの「Website Optimizer」に触れていたり、また別の章でもOmnitureの「Test & Target」の紹介がされていたり、こういったLPOツール、A/Bテストツールや、Google Insights for Searchといったトレンド分析ツールなども押さえていて、アクセス解析の領域だけでなく「Web解析」全体をカバーしようとしているのも、個人的にはいいことだと思います。

もちろん、それだけ「広く浅く」となるのですが、「ウェブ解析の考え方や視点を学ぶ」という意味では、ひとつの方法として正しいです。

業務として何かしらの形でアクセス解析/Web解析に関わっているけれど、いまひとつどう取り組んでよいかわからない、という人向けの最初の一冊としては、たぶんいまのところベストだと思います。