「やらないより、やっておけ」「やってしまって、良かったと思え」

PLAY・JOB (プレイ・ジョブ)

ポール・アーデン(Paul Arden)という人の『PLAY・JOB (プレイ・ジョブ)』という本を読みました。本屋さんで何気なく手に取り、簡潔だけど剛速球カーブが投げ込まれてくるようなメッセージがいいなと思い、買いました。

『PLAY・JOB (プレイ・ジョブ)』というのは日本向けの書名で、「仕事、楽しんでる?」というメッセージの帯が付いていますが、読み終わった感想としてはなんだかちょっと違います。原題は『Whatever You Think, Think The Opposite』。「正反対に考えろ」。たぶん「プレイ・ジョブ」とはちょっと違う。

「そんな波風立てない平凡な人生を送ってて、あんたの人生楽しいか? あん?」みたいなトーンで、強いメッセージがポンポン投げ込まれてきます。痛快、というかグザグザ。その辺の自己啓発本よりかなりやんちゃな感じ。

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手書きのものはつい手に取って見てしまう

先日読んだ本『12歳からのインターネット』は、ミシマ社という出版社からの書籍なのですが、ご感想ご意見ハガキや差し込みの二つ折りチラシが手書きをベースにしたもので、つい手に取って見てしまいました。

ご感想ご意見ハガキなんて、活字で普通に印刷されたものだったら絶対に目がいかないんですけどね。しげしげと「へえ手書きなんや」と眺めました。雰囲気がちょっとあたたかいですし、意外に人の目を引きます。

ミシマ社のサイトを見ると、「自由が丘のほがらかな出版社」とありますし(これは栞も同じコピー)、title要素には「原点回帰の出版社、おもしろ、楽しく!」とあります。既刊本を見ると、装丁のイラストを寄藤文平が手掛けたものが多いですね。そんな雰囲気の出版社のようです。ブログもいくつかありますし(まあここまではよくある)、写真ブログやウェブ向けのCM動画なんてのもあります。へえ。

『12歳からのインターネット』を読みました

『12歳からのインターネット ~ウェブとのつきあい方を学ぶ36の質問』

Windows95が登場したのは1995年で、僕は大学生でした。もちろん義務教育と高校でインターネットが絡んだ授業はおろか、パソコンを使った授業を受けたことがないのですが、いま小学校や中学校でどんなインターネット(やパソコン)の授業をやっているんだろう。

ちなみに、大学で学んでいたのは教育学(ただし先生になるための学問ではない)。

『12歳からのインターネット』という本を読みました。小中学生はもちろん、小学校や中学校の先生や偉い人たちは、ひとまずこの本を読むべきだと感じました。

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本や音楽などのレビュー共有サイト crossreview を使っています

本や音楽などのレビュー共有サイト「crossreview(クロスレビュー)」を最近利用し始めました。サービスインのときにアカウントは取ったもののずっと放置していて、やっとその気になりました。

crossreview(クロスレビュー)
「○○さんに次にしてもらいたいこと」と次のアクションを提案してくれたりと、サイト内でのアクションの促し方がいいですね。レビューは100文字までという制限も肩肘張らなくていいです。

アマゾンのレビューと比較して、crossreviewではレビューしたユーザーのアイコンが大きめに表示されるので、そのレビュワーの顔が見えますね。あと「そのユーザーから購入する」という優しさ。

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『ビジネスマンのための「解決力」養成講座』を読みました

『ビジネスマンのための「解決力」養成講座』

最近どこの本屋さんに行っても平積みになっている本『ビジネスマンのための「解決力」養成講座』を読みました。経営コンサルタントの考え方の一片を知ることができます。

こころに残ったのは、「焦って答えを出してしまうのではなく(それじゃあ占いと変わらない)、仮説と検証の繰り返しで失敗確率を減らす(=成功確率を上げる)」というところ。失敗確率を減らすというところが僕にとってはポイントです。意識の違いかもしれませんが、「問題解決」という点ではとても大事だと思います。

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『Webマーケティング/広告戦略のセオリー』を読みました

『Webプロフェッショナルのための黄金則 Webマーケティング/広告戦略のセオリー』

書評はあまりやらないようにしていたのですが、やっぱり記録として残しておこうかなと最近は思うようになったので、しばらく試してみます。

『Webプロフェッショナルのための黄金則 Webマーケティング/広告戦略のセオリー』を読みました。住太陽氏が監修しています。

王道の話がきちんとまとまっているという印象でした。現場の実務で必要になるような細かいノウハウやテクニック的なことはあまり書かれていません。それを期待すると肩すかしを食らうと思います。

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『高校生が感動した「論語」』を読みました

佐久協著『高校生が感動した「論語」』を読みました。行き帰りの電車の中で孔子の「論語」を読んでいるというのは、ふと我に返れば不思議な気分でしたが、気になる言葉に出会ったときには本を閉じて少し噛みしめてみたり、帯に「スラスラ読めて」と書いてある割には(確かにスラスラ読めますが)思ったより時間をかけて読みました。

孔子を読むのは高校生以来ですが、そのときに教えてもらった内容はほとんど覚えていません。著者の佐久先生のとてもわかりやすい現代語訳のおかげで、「論語」を初めてちゃんと理解することができたのではないかと思います。

この本の中で、ひとつ嬉しい言葉に出会いました。「正義」と「不正」の対比で少し仰々しいですが、僕がこのブログで心掛けているようなことが綴られていて、「ほうほう」と呼んでいて嬉しくなりました。この言葉に限らず人生の教訓になる言葉が多く散りばめられているこの本、ときどき読み返してみたいと思います。

わたしはね、正義の実践者と、不正を憎む者とは、似ているけれども、明白な相違があると思っているんだよ。正義の実践者に関してはつけ加えることはないが、不正を憎む者について一言いっておこう。不正を憎む者も不正が広がるのを防いでいるのだから、正義を行っていることには違いはない。しかし、一日でもいいから他人の不正を責めるというマイナスの情熱を自らの正義を実践するというプラスの情熱に転換してみるといい。そうすれば、異いが分かるはずだ。他人の不正を憎むエネルギーを持っているのに、自らの正義を実践するエネルギーがないなんて言う者はおるまいよ。そんな者がいると思うかい? おるまいよ。

高校生が感動した「論語」より

自分たちの会社は「何を」売っているのか – 中小企業と Web2.0 (2)

前回のエントリー記事「中小企業とWeb2.0」の続き。

実際の「商売」の部分は Web2.0 とはあまり関係がない、と書きましたが、「自分たちの会社はいったい『何を』売っているのか」という、まさしく商売の部分の理解があるほど、「Web2.0 の時代」にうまく効果を出せるのではないでしょうか。

「自分たちの会社はいったい『何を』売っているのか」。化粧品メーカーは化粧品を売っているのではなく「美しくなるためのもの」を売っていて、果物屋さんは果物ではなく「健康的な生活を送れるもの」を売っています。IBM の取締役だった方は、「我々はコンピュータを売っているのではなく、問題解決のためのソリューションを売っているのだ」と言っていたそうです。

佐々木俊尚氏著『検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた! – 中小企業の Web2.0 革命』に出てくる企業の事例として、屋形船を営む会社と江戸切子を売るお店の話が出てきます。どちらも、検索エンジン対策と PPC広告に取り組み出し、徐々にキーワードの幅を広げていった、という話が展開します。本には明確な形で書かれていませんが、両者とも「自分たちの会社はいったい『何を』売っているのか」に気がついた点が大きなポイントではないかと思います。

当初は「屋形船」「東京湾 屋形船」といったキーワードを登録していたが、しばらくして「東京湾 夜景」「宴会 幹事」などとキーワードの幅をかなり広げるようになった。
そうしたのは、「屋形船」というキーワードだけでは客層が限られてくるということに気づいたからだった。たとえば、
「今度の宴会は、みんなで東京湾の夜景でも見たいね」
と社内で盛り上がっても、そこでいきなり「屋形船に乗ろう」とはならない。宴会幹事が東京湾の夜景を楽しむために検索エンジンで何かのサービスを探すとしても、「東京湾 屋形船」というキーワードはあまり使われない。そもそもが宴会で屋形船に乗るという発想が幹事の側にもともとないのだ。

『検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた! – 中小企業の Web2.0 革命』 P130より

屋形船を営んでいる会社は、屋形船の乗船を売っているのではなくて風情を楽しむことを売っているのだ、と気がついたのです。ここに気がつくかどうかで、成功には差が出てくると思います。江戸切子を売るお店も、途中で「焼酎」といったキーワードに気がつき、大きく売り上げを伸ばします。

「Web2.0」は、企業にとってそれだけではたぶん魔法ではありません。ただ、これまでの「商売」と組み合わせることで思いがけない効果が出たりするものだと思います。「商売」の部分が強ければ、大企業とも渡り合えるだけの力を差し出してくれるのが、「Web2.0」のテクノロジーなんじゃないかと思います。

中小企業とWeb2.0

佐々木俊尚氏著『検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた! – 中小企業の Web2.0 革命』を読みました。中小企業が検索エンジンと PPC 広告を利用していかに事業を立て直したかという事例が、詳細に描かれています。

「Web2.0」というキーワードを絡めた記事を、一般の雑誌やフリーペーパーでも見かけるようになりました。「うちのホームページも Web2.0 に対応してくれ」というような、少しヒアリングをしなければ意図が掴めないような依頼も来ています。ただ、言葉が一人歩きしていようなる状態の「Web2.0」と、たとえば中小企業のサイトは、なかなか結びつきにくいものです。そのようなときに、本書は一つのヒントになると思います。

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