消費者が主導権を握る時代

ブログ界でも広告業界でも話題の『テレビCM崩壊 – マス広告の終焉と動き始めたマーケティング2.0』を、今更ながら読んでいます。アメリカの広告事情を把握していないとついていけない箇所がところどころにあるのですが、旧態依然とした広告には消費者はもう振り向かないよという刺激的な事例が多く挙げられています。

本の中で何度も繰り返し出てくるのが「消費者が主導権を握った」という表現。消費者が過去10年の間に大きく変わって力を持つようになったのが、ひとつのポイントだと指摘しています。7章では「変貌する消費者を再考する」として、新しい消費者像を提示しているのですが、非常にうまく捉えていて大変参考になります。

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自分たちの会社は「何を」売っているのか – 中小企業と Web2.0 (2)

前回のエントリー記事「中小企業とWeb2.0」の続き。

実際の「商売」の部分は Web2.0 とはあまり関係がない、と書きましたが、「自分たちの会社はいったい『何を』売っているのか」という、まさしく商売の部分の理解があるほど、「Web2.0 の時代」にうまく効果を出せるのではないでしょうか。

「自分たちの会社はいったい『何を』売っているのか」。化粧品メーカーは化粧品を売っているのではなく「美しくなるためのもの」を売っていて、果物屋さんは果物ではなく「健康的な生活を送れるもの」を売っています。IBM の取締役だった方は、「我々はコンピュータを売っているのではなく、問題解決のためのソリューションを売っているのだ」と言っていたそうです。

佐々木俊尚氏著『検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた! – 中小企業の Web2.0 革命』に出てくる企業の事例として、屋形船を営む会社と江戸切子を売るお店の話が出てきます。どちらも、検索エンジン対策と PPC広告に取り組み出し、徐々にキーワードの幅を広げていった、という話が展開します。本には明確な形で書かれていませんが、両者とも「自分たちの会社はいったい『何を』売っているのか」に気がついた点が大きなポイントではないかと思います。

当初は「屋形船」「東京湾 屋形船」といったキーワードを登録していたが、しばらくして「東京湾 夜景」「宴会 幹事」などとキーワードの幅をかなり広げるようになった。
そうしたのは、「屋形船」というキーワードだけでは客層が限られてくるということに気づいたからだった。たとえば、
「今度の宴会は、みんなで東京湾の夜景でも見たいね」
と社内で盛り上がっても、そこでいきなり「屋形船に乗ろう」とはならない。宴会幹事が東京湾の夜景を楽しむために検索エンジンで何かのサービスを探すとしても、「東京湾 屋形船」というキーワードはあまり使われない。そもそもが宴会で屋形船に乗るという発想が幹事の側にもともとないのだ。

『検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた! – 中小企業の Web2.0 革命』 P130より

屋形船を営んでいる会社は、屋形船の乗船を売っているのではなくて風情を楽しむことを売っているのだ、と気がついたのです。ここに気がつくかどうかで、成功には差が出てくると思います。江戸切子を売るお店も、途中で「焼酎」といったキーワードに気がつき、大きく売り上げを伸ばします。

「Web2.0」は、企業にとってそれだけではたぶん魔法ではありません。ただ、これまでの「商売」と組み合わせることで思いがけない効果が出たりするものだと思います。「商売」の部分が強ければ、大企業とも渡り合えるだけの力を差し出してくれるのが、「Web2.0」のテクノロジーなんじゃないかと思います。

中小企業とWeb2.0

佐々木俊尚氏著『検索エンジンがとびっきりの客を連れてきた! – 中小企業の Web2.0 革命』を読みました。中小企業が検索エンジンと PPC 広告を利用していかに事業を立て直したかという事例が、詳細に描かれています。

「Web2.0」というキーワードを絡めた記事を、一般の雑誌やフリーペーパーでも見かけるようになりました。「うちのホームページも Web2.0 に対応してくれ」というような、少しヒアリングをしなければ意図が掴めないような依頼も来ています。ただ、言葉が一人歩きしていようなる状態の「Web2.0」と、たとえば中小企業のサイトは、なかなか結びつきにくいものです。そのようなときに、本書は一つのヒントになると思います。

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吉野家の「吉ブー」が引退?

アイデアマンズブログ[創業編]BETA版経由で、知りました。吉野家の豚丼サポーターキャラクター「吉ブー」が、アメリカ産牛肉の輸入再開に伴う牛丼の復活で、引退してしまいそうとのこと。

牛丼の代替品として登場し新しい固定ファンを根付かせた豚肉による丼飯こと「豚丼」が、牛丼の復活に伴い引退する可能性が出てきた。

牛丼復活の影でひとつのさみしい動き、豚丼の「吉ブーさよなら物語」が公開中:Garbagenews.com

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「いかに囲い込まれるか?」

「囲いこむ」のではなく、「いかに囲い込まれるか?」を考えた企画が、成功する。

CGMとかクチコミとか言われるマーケティングおいて、コアになる唯一一つの考え方: mediologic.com/weblog

引用元がそもそもとても短いエントリーなので、すでに引用でなくなっているのかもしれませんが、非常に深い言葉です。僕たちはどうしても上からモノを見がちで、避けようとしていても話はついつい「囲い込む」という視点でまとめようとしてしまいます。「囲い込む」ではなく「いかに囲い込まれるか?」と視点を変えることで、中心は否応がなしにユーザーになり、「はたしてそれは本当にユーザーに囲い込まれるのか?」と再考するようになるでしょう。「ユーザーを開拓する」のではなく「ユーザーが見つける」、「ユーザーを動機づける」ではなく「ユーザーが心底楽しむ」、など……。視点を変えることで、モノの考え方が変わってきます。まさしく「ユーザーの視点で考える」です。

ネットショッピング利用者の11%がアフィリエイト経由で商品購入を経験

ネットショッピング市場の成熟と、CGMの貢献

富士通総研が、ネットショッピングの利用動向を分析した調査レポート「インターネットショッピング2006」を発表しています。2001年、2004年に続いて、3回目の調査とのことです。

2001年、2004年の結果と比較して、今回の調査結果では、

  • 1年間のネットショッピング利用回数は、平均11.4回(増加傾向)
  • 1回あたり利用金額は、平均9,068円(減少傾向)

となっており、富士通総研は「ネットショッピング市場は拡大を続けているが、その成長スピードは以前と比べてかなり落ちている」としています。インターネットが普及して10数年ほど経つので、土壌が固まってきた、という感じでしょうか。ただし、成長し続けていることは確かです。

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