ひとつ前のエントリー「Faviconはサウンドロゴに似ている」から派生して、各ポータルサイトのFavicon対応状況をまとめてみました。Yahooや楽天などはほとんどのサービス/コンテンツで統一したFaviconを使用するのに対し、livedoor、nifty、Google、はてなはサービスごとにバラエティ豊かなFaviconを使用しており、その姿勢の違いが興味深いところです。
サービスのほとんどのFaviconを統一させる Yahoo!、楽天、goo、Excite
Yahoo! JAPAN(ヤフー・ジャパン)
Yahoo!は、ほとんどすべてのコンテンツを「Y!」のFaviconで統一していますが、「Yahoo!ブログ」や「Yahoo!ジオシティーズ」など、Faviconのないコンテンツもいくつかあります。
その中で、「Yahoo!ブックマーク」は2007年4月のリニューアル後に独自のFaviconを導入。これひとつだけ特殊な動きに見えます。「スポーツナビ」はもともとスポーツ・ナビゲーション社から買い取ったコンテンツなので(2002年8月)、当時から使用されているFaviconなのかもしれません。
楽天(Infoseekを含む)
楽天も、2005年6月に佐藤可士和氏がデザインしたロゴマークの「R」の部分のFaviconでほぼ統一。Infoseekは以前は別のFaviconを使用していたと思うのですが、楽天のものに統一されています。
「楽天woman」は別の独自のFaviconになっていますが、そもそも楽天が2002年に買い取ったポータルサイト Lycos のコンテンツ「Lycos Girls」がInfoseekに移って「Girls plus」となり、2005年10月にさらに「楽天woman」になった経緯があるので、以前からのFaviconを継続しているのだと思います。楽天womanスタッフブログの「ありがとう Girls plus」のエントリーにあるGirls plusのロゴに、Faviconのモチーフになっているマークが見えます。
「みんなの就職活動日記」も、楽天が2004年に運営会社を子会社化して吸収したコンテンツであるため、これも以前からのFaviconの継続だと思います。
goo
gooも、基本的に赤い「g」のFaviconでほぼ統一。エコ情報のポータルサイト「環境goo」(と緑のgoo)では緑色のバージョンを使用しています。唯一「キッズgoo」のみ、キャラクターの「ぐっぴょん」をモチーフとしたものになっています。
Excite(エキサイト)
Exciteも、基本的にロゴマークをモチーフにしたFaviconで統一。「ism」や「Garbo」といったターゲットを絞った大きなコンテンツ、最近ではDesign Barcode社との「オシウリ」といった毛色の変わったものもいくつかあるにもかかわらず、特に差別化はしていない模様。
コンテンツごとに独自のFaviconでアピールする livedoor、nifty
livedoor(ライブドア)
livedoorは、かなり多くのコンテンツでそれぞれのFaviconを準備しています。早くからブログサービスを始めるなど、CGM系/ソーシャルメディア系のコンテンツを多く抱えており、Faviconにこだわる文化にそもそも馴染んでいたような感じです。ポータルのコンテンツとしては定番の「天気情報」さえも独自のFaviconです。
nifty(ニフティ)
ちょっと意外(?)なのが nifty。この業界では老舗感ある企業ですが、最近はフットワーク軽い感じでCGM系/ソーシャルメディア系の新規コンテンツを投入しています。その新しいコンテンツを中心に、コンテンツごとに独自のFaviconを準備しているものが増えています。ノリとしてはlivedoorとよく似た感じです。ただしブログサービス「ココログ」にはFaviconはない模様。
ところでずっと気になってるのですが、「@nifty」の「@」はどんなニュアンスで使っているのでしょうか。
意外に多用するGoogle、コンテンツごとに独自のものを使用しつつ統一感あるはてな
Google(グーグル)
ちょっと省略。
Googleは、買収したサービスで独自のFaviconを使用するのはもちろん、意外に多くのFaviconを準備しています。Faviconのデザインも時折変更している模様(Docs & Spreadsheetsは以前は別のデザインでした)。丁寧にデザインされている印象を受けます。
はてな
はてなは、ずいぶん前からサービスごとにFaviconを準備していました。といってもアルファベットをモチーフにしたものが中心でしたが(サブドメインに対応してます)、サービスが増えるにつれアルファベット以外のデザインが増えています。一覧にしてみると、「Rimo」だけは特殊な扱いのサービスだということがわかります。
また、今年の7/27にFaviconのデザインを一新しましたが、こういったことをちゃんと発表する会社はとても稀です。
機能変更、お知らせなど – はてなの日記 – はてなのサービスアイコン(favicon)をリニューアルしました
はてラボの「はてなセリフ」が古いまま放置されているような気が。
ブランドとして迷いの見られる MSN / Windows Live
MSN / Windows Live
そして、MSN。あるいは Windows Live。かつては「MSN」を冠にしてサービスを展開していましたが、最近は「Windows Live」を冠に徐々に変更しています。しかし、いまひとつ展開スピードが遅く、どっちつかずの印象があるのですが、どうでしょうか? 「MSN」という名称はどこまで残るのでしょうか?
「Windows Live」を冠にしたサービスの中でも、Faviconに使われているWindowsの「旗」のデザインが微妙に違っているのが気になります。意図的なものではないような気がしますが、どうでしょう。
「MSN毎日インタラクティブ」はまもなく終了の予定。
まとめ
他のポータルなども一応調べてみましたが、Yahoo!や楽天のように基本的なFaviconで統一しているところがほとんどでした。livedoor や nifty、またGoogleや「はてな」などのように、各コンテンツ/サービスごとに独自のFaviconを用意する動きは、それらを擁している「冠」の認知度や親近感の醸成よりも、各コンテンツやサービス単体へのコミット度を深めようとしているように感じます。無理矢理こじつければ、「ポータル=百貨店」的な集客方法を取るところと(Yahoo!、楽天など)、より個性の強い専門店中心の集客を考えているところに分かれている、という状況でしょうか。
僕自身、Yahoo!もGoogleも「はてな」もlivedoorも、それぞれに気に入ったサービスを各社まんべんなく利用していますが、冠よりもそのサービスそのものに魅力を感じていることがほとんどです。その各サービスのキャラクターをより強めるのに、Faviconはさりげなく貢献しているのだと思います。
※上記の各サービス/コンテンツの Favicon は、2007年9月8日現在のものです。また、すべてを網羅していない可能性があります。