他文化の真似や解釈違いや誤解こそが新しい文化を作るのだ。
なので、みんな真似しよう。自分勝手な解釈をしよう。何なら妄想しよう。でも、元の文化には敬意を払おう。
生まれも育ちも大阪で、大学は京都で、就職して神戸にも住んで、約4年前にやっとこさ東京にやってきたような関西人なのですが、10年前ぐらいから「恵方巻き」という言葉を聞くまで、「恵方巻き」は知りませんでした。
「丸かぶり寿司」なら食べていたんですけどね。
毎年の節分の日には、ある決まった方角を向いて黙って太巻きを食べ、焼いたいわしを食べていました。いわしは嫌いなので親元を離れてからは食べてないですけど。
たぶん僕の知らない関西で「恵方巻き」と言われていたんでしょう。
毎年、コンビニやスーパーで「恵方巻き」の文字を至る所で見るようになって、まあちょっと不思議な気分にはなるのですが、「恵方巻きなんて知らねーよ流行らせるなコノヤロ」ならまだしも風習そのものを否定するような声を聞いたり見たりすると、ちょっと悲しくなります。たしかにちょっとしたマーケティングの流れに乗って「全国的に流行らせよう感」ありありなのはそのとおりなんですが、その文化そのものは否定するなよ、と。
ぶっとい太巻きを食べる言い訳ができる、一年に一度のいい機会じゃないですか。
僕は、僕が食べていた丸かぶり寿司は大好きです。
今日7月23日は、土用の丑の日です。昨日、近くのスーパーのチラシ広告を眺めていたら、大きな「土用うなぎ」の写真の隅に、「土用しじみ」が載っていました。土用うなぎは知っていますが、土用しじみは今まで聞いたことがなかったので、ちょっと調べてみました。
シジミは大別すると真シジミ、瀬田シジミ、大和シジミに分けられます。真シジミと瀬田シジミは冬が旬で「寒シジミ」と呼ばれ、夏が旬の大和シジミは「土用シジミ」と呼ばれています。「土用シジミは腹薬」と言われるように夏のシジミは胃腸を整え、夏バテに防止に用いられていました。「しじみよー、しじみよー」との掛け声のシジミ売りは江戸の町の風物詩でもありました。