昨日、「企業サイトのサイト内検索は、Yahoo!カスタムサーチの方がGoogleカスタム検索よりよいかも」というブログエントリーを書いたのですが、Yahoo!では企業向けのサイト内検索ASPが提供されていたのを忘れていました。Yahoo!ビジネスセンターにある「Yahoo!サイトサーチ」。一般的なサイト内検索ASPの機能をそろえているにも関わらず、無料です(現在は法人のみ利用可能)。
ですので、今回はこのサイト内検索ASP「Yahoo!サイトサーチ」と「Yahoo!カスタムサーチ」「Googleカスタム検索」を比較してみます。
※内容は2011年1月時点の内容に基づきます。この後の各サービス内容の変更や追加などは反映しておりません。また、下記の情報を利用することによって生じるいかなる損害について、責任を負うものではありません。
※「Yahoo!サイトサーチ」は2014年2月25日にサービス終了しました。
比較
前回のエントリーにならって、「Yahoo!サイトサーチ」と「Yahoo!カスタムサーチ」、そして「Googleカスタム検索」の3つを比較してみます。項目増えています。
機能 | Yahoo! サイトサーチ |
Yahoo! カスタムサーチ |
Google カスタム検索 |
---|---|---|---|
検索エンジン | ニューズウォッチ | ||
デザインのカスタマイズ | 可能 | 可能 | 可能 |
ページへのインライン組込 | 可能 | 可能 (横幅750px以上) |
可能 |
広告 | なし | なし | 表示 (AdSense可能) |
対象ドメイン指定 | 1ドメイン | 可能(5ドメイン) | 可能(無制限?) |
除外ドメイン指定 | × | 可能(5ドメイン) | 可能(無制限?) |
デフォルトでの追加キーワード指定 | × | 可能(AND検索) | 関連性を調整可能 |
デフォルトでの除外キーワード指定 | × | 可能 | × |
クローラー巡回設定 | 可能 | × | × |
XMLサイトマップでの インデックス登録 |
× | × | 可能 |
URL追加でのインデックス登録 | × | × | 可能 |
個別インデックス削除 | 可能 | × | × |
全インデックス削除 | 可能 | × | × |
特定の結果の表示 | おすすめリンク機能 (100件) |
× | Subscribed Links、 プロモーション機能 |
画像表示 | 可能 | 可能 | × |
カテゴリー機能 | 可能 | × | × |
検索結果並び順設定 (適合度順・新着順) |
可能 | × | × |
オートコンプリート機能 | × | × | 可能 |
絞り込みキーワードの提示 | × | × | 可能 |
類義語指定 | 可能(50件) | × | 可能 |
対象言語指定 | × | 可能 | 可能 |
統計データレポート | あり | × | あり(簡易) |
Google Analyticsとの連携 (Google Analytics側での設定) |
可能 | 可能 | 可能 |
料金 | 無料 | 無料 | 無料 |
以下、Yahoo!サイトサーチを中心に。
Yahoo!サイトサーチは、一般的なサイト内検索ASPの機能をそろえていると思います。インデックスの登録は任意にはできませんが、クローラーの巡回設定で多様な設定が可能です(起点URL、除外URL、巡回時間、パラメーター設定など)。
Yahoo!サイトサーチのクローラー巡回に関して(あくまでYahoo!サイトサーチのクローラーであって、Google検索のクローラーではない)、サイト1個分登録した時点ではインデックスは「0」なのですが(つまりサイト内検索しても結果が出ない)、起点URLをトップページとサイトマップで指定して試したところ、意外にあっさりインデックスされました。ページ数が多いサイトでは状況変わるかもしれません。
おすすめリンクや類義語なども、わかりやすい管理画面で簡単に設定できます。まあASPっぽい感じです。
利用状況のレポート
一般的なサイト内検索ASPと同じく、Yahoo!サイトサーチもしっかりしたレポート機能を持っています。
- 検索利用状況
- 検索キーワードランキング
- URLクリックランキング
- ゼロマッチ検索キーワード
- 集計方法の設定
どのURLをクリックしたかの「URLクリックランキング」、検索結果が0件となった検索キーワードのリスト「ゼロマッチ検索キーワード」は、Googleアナリティクスなどアクセス解析ツールでの取得は少しハードルが高いのでありがたいです。
各データともCSVでダウンロードも可能。
選ぶポイント
さて、仮に無料のサイト内検索を上記3つで選ぶとして、どういったポイントを見ればよいでしょうか。
- Yahoo!カスタムサーチやGoogleカスタム検索は、検索結果は基本は検索エンジンのGoogleにおまかせ。おすすめリンクのピックアップはGoogleカスタム検索のみ。
- Googleカスタム検索は広告あり。
- Yahoo!カスタムサーチは広告はなく、裏側のエンジンもGoogleだが、機能的に少し弱い
- Yahoo!サイトサーチは、広告もなく非常に高機能で扱いやすいが、検索エンジンはニューズウォッチのため、マッチング精度や結果の表示は少なくともGoogleのものとは違う。「劣る」かどうかは各自判断すること
- 備わっているレポートに関してはYahoo!サイトサーチが優れている。ただしGoogleアナリティクスを利用すれば3つとも状況は同じ
このような感じでしょうか。Yahoo!サイトサーチは一般的な有料のサイト内検索ASPに匹敵するサービスのため、非常に扱いやすいと思います。あとは肝心の「検索精度」をどう判断するか。
補足とまとめ
「おすすめリンク」の機能や類義語の設定などは、最初にがっつり設定する必要はないでしょう。サイト内検索の利用シーンは「目的のページに行きたいが、どこにあるかわからない」というのがメインですので、ナビゲーションや検索エンジンから容易に行けるページをどれだけ設定しても、たぶん無駄な努力に終わると思います。
1~2ヶ月ほど運用してみて、「こういったキーワードでサイト内検索されているんだ」「じゃあこのページをおすすめリンクに設定してみよう、類義語の設定をしよう」というやり方の方が、効果的です。つまり、検証と改善。
そういった利用法ができるのが、Yahoo!サイトサーチだと思います。他の2つは、そういった機動力の面で少し劣っているかもしれません。
あとは、何度も書いてしまいますが、「検索精度」をどう判断するか。
個人的にはYahoo!カスタムサーチで全然問題ないと思っています。