Googleアナリティクスのエンタープライズ向け有料版「Google Analytics Premium」とリアルタイム分析機能

一応触れておきましょうか。グーグルはGoogleアナリティクスのエンタープライズ向け有料版「Google Analytics Premium」を発表しています。

Google Analytics Blog: Introducing Google Analytics Premium
Google Analytics Premium | Official Website

サイトに掲載されている「Google Analytics Premium」の販売代理店は、いまの時点で欧米の7社。

と同時にリアルタイム分析機能の追加も発表されています。

Google Analytics Blog: What’s happening on your site right now?

エンタープライズ向け「Google Analytics Premium」について

「Google Analytics Premium」の詳細は、公式のサイトもアップされています(とはいえリンク切れがあったりでサイトもまだβ版のような)。

Google Analytics Premium | Official Website

いまアドビにいらっしゃる清水さんが早速のまとめを投げるという、不思議な展開。

Google Analytics Premiumについてのまとめ :: 実践CMS*IA

一番大きいのは、データの量や速度や機能はともかく(ああ、処理速度は重要ですね)、SLAで保証されるという点ではないでしょうか。企業利用でそこが担保される/されないは、大きな違いだと思います。ただ、SiteCatalystやRTmetricsなどのエンタープライズ向けWeb解析ツールがある程度行き渡った感のある市場の中で、導入企業はそれほど多くないでしょうし、導入する日本企業も限られるでしょう。

Googleアナリティクスも、「AdWordsを売るためのツール」としてはあり得ないレベルの機能追加という投資を今年行っていて(後述)、パートナー企業(Google Analytics Certified Partners)も増えてきたこともあり、Googleアナリティクス単体で収益を上げていく方向に進むのも、まあそうなるでしょうね、という印象です。

リアルタイム分析機能について

「要望」としては多く挙がるものの、「ビジネスとしての必要性」はそれほどないのではないかと思っている「リアルタイム分析機能」も、程なく全アカウントで利用できる模様です。

想定される利用シーンはこのようなものでしょうか。

  • 今日開始したキャンペーンページの状況把握
  • テレビCMや番組の反響の把握
  • 意図していない突発的な流入の状況把握
  • ソーシャルメディア経由の流入の状況把握
  • Googleアナリティクスの実装テストの計測確認(個人的にはこれかな)
  • ブロガー

ただ、ビジネスとしてサイトの状況をリアルタイムで把握する「必要性」は、多くの場合あまりないと思います。どちらかといえば、担当者や上層部の興味関心として「知っておきたい、把握しておきたい」というところからくるニーズの方が大きいんじゃないでしょうか。

個人的には、Clickyを有料で導入しているので、そちらでいまは満足しています。

今年に入ってからのGoogleアナリティクスの機能追加

今年に入ってから、Googleアナリティクスは無料のツールとしては考えられないレベルの機能追加を行っています。たぶんまだまだ続くのではないかと予想します。

概ね、このような内容です。

  • UIを刷新した新しいバージョン(v5)の提供(2011年3月)
  • ユーザー単位のアトリビューション分析を可能にする「マルチチャネル」のβ版提供(2011年4月)
  • サイト速度の分析機能の追加(2011年5月)
  • ウェブマスターツールの情報の一部を統合(β)(2011年6月)
  • 「+1」などのソーシャルエンゲージメントの計測機能の提供(2011年6月)
  • モバイルのレポートUI等の改善(2011年6月)
  • ベンチマークニュースレターの配信開始(2011年7月)
  • セッションの定義変更(2011年8月)
  • ユーザー単位の流入元分析「マルチチャネル」の正式提供開始(2011年8月)
  • 複数のAdWordsアカウントを連携可能に(2011年8月)
  • カスタム検索との連携を容易に(2011年9月)
  • リアルタイム分析機能の追加(β)(2011年9月)
  • エンタープライズ向け有料版Google Analytics Premiumの発表(2011年9月)

個人的な勝手な要望としては、「ドキュメントの整備」、「(SiteCatalystで言うところの)SAINT機能」、「任意の計算指標の設定」でしょうか。「SAINT機能」があれば、パラメータ管理も生成もエクセルなどで管理できるので、ずいぶん楽になると思います。