「買うか買わないか」から「買うとしたらどれ?」へ

京都の錦市場の西利の店頭で見つけた「京づつみ」というお土産用の漬け物のパッケージ。風呂敷で西利の漬け物を包んであるので、このままお土産や贈り物として利用できますし、おしゃれですね。風呂敷の色が5色あって、好きな色を選べます。

この、最初から5色と数多くのバリエーションを準備しておくというのはちょっと大切です。ただのセットだと、購買者の心理としては「買うか、買わないか」という状態。これが、いくつかのバリエーションをずらっと並べておくと、「買うとしたらどれにする?」という心理状態に変化します。明らかに「買うか買わないか」からひとつ次のステップ。

大量のバリエーションをディスプレイすることで店頭の見栄えもしますし、足を止めてもらって「どれにする?」につなげる。京都は漬け物も有名ですし、「贈り物としておしゃれに渡せる漬け物」という提案を、スマートに受け入れてもらえるような仕組みだと思います。西利のこの場合は5種類ですが、これだけあれば十分でしょう。

場所は変わりますが、下鴨神社もマーケティングはうまいと思っていて、下鴨神社には素敵なお守りが数多くあるんですね。下鴨神社のサイトには載っていないので検索してほしいのですが、5年ほど前から「彦守(ひこまもり)」「媛守(ひめまもり)」というお守りがあります。彦守はデニム生地のお守りで、これはこれで素敵なのですが、媛守の方は着物のような生地の模様が1個1個全部違うんですね。この媛守が数十種類ずらっと並んでいると、「ねえ、どれにする?」となってしまいます。

「買うか買わないか」から「買うとしたらどれ?」へ。ユニクロなどもこれを多用していますが、魅せてアピールするというひとつの王道だと思います。