『ウェブはバカと暇人のもの』を読んだ

『ウェブはバカと暇人のもの』

『ウェブはバカと暇人のもの』を読みました。同意するところが多くてかなりおもしろく読めたのですが、この本はたぶん読む人を選びますね。内容もそうですし、文体というか醸し出す雰囲気というか。

ウェブはみんなよくわかっていないから過剰な幻想や期待がもたれていて、都合よく解釈するときもあれば、意味不明に非難したりするとか、そういうくだりはものすごく同意。ウェブはバカと暇人のものかどうかは何とも言えないけど(だとしたらたぶん僕は暇人なんだろう。ああでもそうかもしれないw)、まだまだ局地的なものだと思うし、この本で書かれているとおりまだまだテレビなどの影響力の方が圧倒的に強いのも確か。Googleの急上昇ワードの最新のものを結構ウォッチしていますが、そのときテレビで放送されているものがかなりの割合で反映されていますしね。

「ネットで話題」とか「ネットでクチコミ」とか、リアルな世の中で起きていることに比べたらものすごく小さいし、大したことはない。そのあたりも同意。ひどいものならでっち上げかもしれないですし、「どうせわかりっこないから『ネットで話題』って書いとこう」とか。

ウェブに対する過剰な期待や楽観的視線への釘さしという意味で、とてもいい本。

でもね、僕はね、いまはたしかにそのとおりだし、そこに僕は立っているけれども、それを踏みしめた上で、ウェブの可能性を大きくしていきたいと思っています。たとえばウェブをきっかけとして企業と一般の人の間のコミュニケーションが濃くなったり気持ちよくなったりすることもあると思っています(もちろん気持ち悪くなることだってある。それはコミュニケーションなので。アホな人も暇人もいるので)。ウェブだけがきっかけではないにせよ、人生が少し変化していることも感じています。

ウェブだけで完結するものなんてほとんどないですが、暇人である僕ですら得体の知れないものとも思っているウェブの何かを、現実の世界の中の一部として機能させることで、いい方向に向かわせられないかをずっと考えていたいです。教科書的で優等生的な答えではあるけれども。

とまれ、おもしろい本です。

さあて、外に出かけてくるとしましょうか。