MarkeZine Day 2008レポート:「失敗に学ぶ!結果を生み出すアクセス解析の活用ヒント」

9月12日に参加したMarkeZine Day 2008のセミナーの中から、「失敗に学ぶ!結果を生み出すアクセス解析の活用ヒント」のレポートです。ジョイジョイ株式会社(ぐるなびウエディング)の舘田智氏によるものです。

一応僕もこのあたりを軸足としてずっと仕事をしているのですが、実際にアクセス解析を導入する側の企業のこういったお話を聞くのは、僕は初めてだと思います。ツールを提供するベンダーさんの視線ではなく、どう試行錯誤して、結果こういったことに気をつけた方がいいということがわかったという流れは非常に説得力がありました。おもしろかったですし、違う視点でのヒントをたくさんいただきました。

運用する側から見た、アクセス解析で気をつける点

たとえば、

  • ツール導入時にちゃんと初期の設定をしておかないと、知りたいデータが取得できない。導入時にしっかり設定や確認をすること
  • 運営フェーズでいろんな担当者が新ページを準備しても、自動で適切なトラッキングのHTMLソースが挿入されるように自動化
  • ページを更新・修正したら、些細なことであっても記録すること。あとからアクセス解析のデータで分析するときになぜ変化したのかと紐づけられるようにするため

など、実際に動かしている側でないとなかなか気がつかない点がこうやって報告されたというのは素晴らしいことだと思います。

舘田氏は「ちょっと変更、ちょっと改善」ともおっしゃってましたが、些細な修正の記録はまさにそのとおりで、僕もアクセス解析の活かし方は少しずつ愚直に改善していくというところにあると思うのですが、ほんの小さなボタンのデザインの修正やリンクテキストの修正などでサイトの回遊やコンバージョン率が改善されることはあるわけで、それは記録してアクセス解析のデータと結びつけておかなければ次につなげることができません。そこに気づいてしっかり活かしているぐるなびウェディングさんは素敵です。

マイクロコンバージョン改善、のような話

また、デジタルフォレストさんのセミナーでもよく似た話が出てきましたが、ぐるなびウェディングさんでもマイクロコンバージョンに分けて改善していくという話が出てきました(マイクロコンバージョンという言葉は出てきませんでしたが)。シナリオとルートを設計して、想定シナリオとそのそれぞれの離脱率に注目して、状況がよくないところをひとつ直すことで最終のコンバージョン率が大きく改善することができるという話。

僕も、このような形でアクセス解析のデータを利用してサイトを改善していくやり方は多くのサイトで使える手法だと思いますし、ボトルネックとなっているところの発見も速くなると思います。シナリオというか想定する行動の流れをちゃんと思い描かないと、アクセス解析の普通の結果画面ではなかなか見えてこない部分ではあるのですが、今後は多く使われていく手法だと思います。

「アクセス解析関係の言葉はむずかしいので、お店にたとえるとわかりやすい」、「木を見て森を見ずになってはいけない」、「日々のアクセス解析をする前に、まず何がウェブサイトで問題なのかを客観的に把握することが必要」など、非常にわかりやすくやわらかくまとめていました。新しい視点でいろんなヒントをいただいたと思います。